「クローゼットからしばらく着ていない服を取り出したら、カビが生えていた…」という経験はありませんか。
 
大切な衣類を収納しているクローゼットは、実はカビが発生しやすい場所でもあります。そのため日頃から対策をしていないと、棚や衣類にカビが発生してしまうので注意が必要です。今回は、クローゼットにカビが発生する原因と発生した場合の対処法について解説します。
 
「クローゼットを清潔に保ちたい」「衣類をカビから守りたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

クローゼットに発生するカビは2種類

クローゼットに発生するカビは2種類
 
カビはホコリや人の垢などの汚れに、温度・湿度などの条件が組み合わさって発生します。そして、クローゼットに発生するカビは「白カビ」と「黒カビ」の2種類に大きく分けられます。それぞれの特徴について詳しく解説します。

白カビ

白くてフワフワとした見た目をしており食料品や衣服などに付着しますが、白カビは表面に張り付いているため、簡単に取り除けます。
 
ただし、放っておくとダニなどの害虫を呼び寄せて、衣類だけでなく家具なども傷めてしまうことがあります。また、鼻炎や喘息などのアレルギーを発症させる可能性もあるので、白カビを見つけたらすぐに取り除きましょう。

黒カビ

黒カビは、一度生えてしまうと完全に取り除くのが難しいと言われる厄介なカビです。黒カビは、黒い点のような模様を付けて繁殖していきますが、素材の奥深くまで根を張ることが多い点が特徴です。
 
しっかり掃除をしたつもりでも根っこが残っていると、何度も同じ場所に黒カビが発生します。そのため黒カビを落としたい場合は、根元から除去する必要があります。

クローゼットにカビが発生する2つの原因

クローゼットにカビが発生する2つの原因
 
クローゼットにはカビが繁殖する条件が揃っています。ここではクローゼットにカビが発生する原因について詳しく解説します。

風通しが悪い

クローゼットのドアを閉めたままにしていると、通気性が悪くなりカビが発生しやすくなります。クローゼット内の風通しが悪くなると空気が滞留してしまい、こもった湿気や熱の逃げ道がなくなるので高温多湿の状態が続きます。カビは高温と湿気を好むので、空気が滞留しているところから増殖していきます。
 
また、クローゼットに衣類をたくさん詰め込んでいる場合も注意が必要です。衣類や物を隙間なく入れていると、換気をしようとしても上手く空気の入れ替えができません。
 
 
また、空気がこもっているクローゼットに乾ききっていない衣類やクリーニングしてビニール袋を付けたままの服を収納すると、さらに湿度が高くなるので注意しましょう。

ホコリが溜まっている

クローゼットを掃除しようとすると、まずは衣類を外に出すところから始めなければなりません。そのため掃除を後回しにしてしまう方が多いのではないでしょうか。掃除の頻度が低くなると、次第にホコリやゴミなどの汚れが溜まっていきます。このような汚れはカビの栄養分になり、溜まるほど発生しやすくなるため要注意です。
 
また、カビは脂肪やタンパク質を好むので人の汗や皮脂・髪の毛なども栄養源にして繫殖していきます。そのため汚れや汗の付いた衣類をそのままクローゼットに収納すると、カビに栄養を与えることになるので注意しましょう。

クローゼットのカビ対策6選

クローゼットのカビ対策6選
 
クローゼットにカビが発生すると、次々と繁殖して大切な衣類が傷んでしまいます。クローゼットや衣類を守るためにも、日頃からカビ対策を行っておきましょう。
 
ここでは、普段の生活の中で簡単にできるカビ対策を紹介します。少し意識して行動するだけでカビ予防につながるので、ぜひ参考にしてください。

①こまめに換気する

クローゼットを閉めたままにしていると湿気がこもってしまうので、こまめに換気しましょう。窓とクローゼットの扉を同時に開けておくことで、効率よく気温や湿度の上昇を抑えられます。クローゼットを開けたままにすることに抵抗がある方は、就寝中や外出中などのタイミングをおすすめします。また、サーキュレーターや扇風機を使って風を送るのも効果的です。
 
梅雨などの時期は、特に部屋に湿気が溜まりやすくなるので、除湿器やエアコンの除湿機能を使って湿度を下げるようにしましょう。

②除湿剤や重曹を置く

除湿剤や重曹は置くだけで湿気をとってくれるのでお手軽にカビ対策ができます。湿気は下の方に溜まりやすいため、除湿剤や重曹はクローゼットの下部に置くと良いでしょう。効果を持続させるためには定期的に交換することが重要です。
 
重曹は空瓶や器に重曹を入れてクローゼット内に置いておくだけで除湿剤の代わりとして使えます。また、重曹には消臭作用もあり気になる臭いを取り除いてくれるので一石二鳥です。

③掃除をしてホコリを取り除く

ホコリや髪の毛などはカビの栄養源になるため、半年に1回を目安にクローゼットを掃除しましょう。まず、クローゼットの中身をすべて取り出したら、ハンディモップや雑巾などを使ってホコリや汚れを拭き取ります。
 
最初から掃除機をかけるとホコリやカビが舞い上がってしまうので、先にフローリングシートなどで丁寧に拭き取ることが重要です。ホコリが取れたら、雑巾にアルコール除菌液を付けてクローゼットを拭いていきます。最後に1時間ほど換気し、クローゼットの中身を戻したら終了です。
 
クローゼットの掃除は大変かもしれませんが、定期的にホコリを取り除くことでカビの発生リスクを抑えられます。

④衣類を詰め込み過ぎない

クローゼット内の通気性を良くするためには、衣類を詰め込み過ぎないことが大切です。衣類や物を隙間なく入れると、空気の入れ替えがうまくできず湿気がこもってしまいます。湿度が高いとカビが発生しやすくなるため、定期的にクローゼットの中身を整理しましょう。
 
 
 
また床にすのこを置くのもおすすめです。適度に空間ができるので風通しが良くなり、衣類に湿気が溜まるのを予防できます。

⑤衣類はよく乾かしてから収納する

衣類は完全に乾いてからクローゼットに収納するようにしましょう。生乾きのまま収納すると、クローゼット内の湿度が上がってカビが生えやすくなります。
 
また、1日着用していた衣類や、スーツやコートなどの洗濯できない服は、汗や汚れが付いていることが多いです。そのままクローゼットに収納すると、カビの栄養源を持ち込むことになってしまいます。そのためブラシなどでホコリや汚れを取り除き、ハンガーにかけて一晩部屋干ししてからクローゼットにしまうのがおすすめです。湿気が多い梅雨や夏の時期はエアコンの除湿機能や浴室乾燥機を使うと効率よく乾かせるでしょう。

⑥定期的に衣類や布団を天日干しする

衣類や布団をクローゼットに入れっぱなしにしている方は多いのではないでしょうか。クローゼットの中は湿気がこもりやすいため、入れっぱなしにしているとカビが発生する可能性があります。
 
そのため定期的に衣類や布団を天日干しするようにしましょう。しばらく使わないものでも、3ヶ月〜半年に1回は行うのがおすすめです。日光に含まれる紫外線にはカビを殺菌する効果があります。また、衣類や布団を乾燥させることで湿気が飛び、汗の臭いを取り除いたりカビの発生リスクを下げたりできます。
 
天日干しは日光量が多い日中に1〜2時間程度行うようにしましょう。また布団などは途中で裏返すことで満遍なく殺菌できます。

クローゼットにカビが発生したときの対処法

クローゼットにカビが発生したときの対処法
 
クローゼットにカビが発生してしまった場合、どのように落とせば良いのか悩む方もいるでしょう。ここでは白カビと黒カビが発生した場合の対処方法について、それぞれ解説します。
 
ご自身でも実施できる内容となっているのでカビが大量発生している状況でなければ、ぜひチャレンジしてください。

白カビには「消毒用エタノール」

クローゼットに白カビが発生したら、消毒用エタノールを使って取り除きます。まずは、クローゼットにしまっている衣類や物をすべて取り出します。消毒用エタノールを霧吹きボトルに入れ、タオルや布などに吹きかけて丁寧に拭き取りましょう。
 
消毒用エタノールを使うことで、カビの臭いも除去できます。カビを取り除いた後は、しっかり換気して空気を入れ替えます。なお、エタノールが肌に触れると肌荒れしてしまうこともあるので、ゴム手袋やマスクを着用して掃除するようにしましょう。

黒カビには「台所用漂白剤」

生えた場所に根を張ることが多い黒カビには、台所用漂白剤が効果的です。まず白カビの時と同様にクローゼットの荷物をすべて取り出します。漂白剤10mlを1Lの水で薄めて霧吹きボトルに入れ、黒カビが発生している部分に吹きかけてタオルや布巾で乾拭きします。
 
カビを除去したら、換気をして湿気を逃がしましょう。なお、漂白剤は床材や壁紙を傷める可能性があるため注意が必要です。また漂白剤を使う時もゴム手袋やマスクをしっかり着用するようにしてください。

クローゼット内の衣類にもカビが生えてしまった時の対処法

クローゼット内の衣類にもカビが生えてしまった時の対処法
 
クローゼットに収納している衣類にカビが生えていた場合、そのまま捨ててしまう方もいるのではないでしょうか。しかし、意外と簡単にカビを落とせる場合もあります。
 
ここでは衣類に付いたカビの落とし方について詳しく解説します。事前に除去方法を知っておくことで、カビが発生した時にすぐに処置できるようになるのでしっかり確認しておきましょう。

白カビの場合

白カビの場合は、消毒用エタノールを使って比較的簡単に取り除けます。まずはブラッシングなどをして衣類に付いているカビを払い落しましょう。次に、タオルや布などに消毒用エタノールを付けて、白カビを優しく拭き取り衣類を乾かします。
 
このように対処することでキレイに落とせますが、気になる場合は洗濯機に酸素系漂白剤を加えて洗濯してください。酸素系漂白剤は汚れを落としやすくするだけでなく消臭や除菌効果があります。洗濯後はしっかり乾かしてからクローゼットにしまいましょう。

黒カビの場合

黒カビの場合は、衣類の繊維にまで根が張っていることが多いため、なかなか落とすのは大変です。黒カビを落とすには、再発を防ぐためにも奥深くまで入り込んでいる根元ごと除去する必要があります。
 
まずは綿棒などを使って酸素系漂白剤を黒カビに優しく当てます。液体タイプは綿棒に直接染み込ませますが、粉末タイプの場合はお湯で溶かしてから付けましょう。次に、洗面器などにお湯と規定量の酸素系漂白剤を入れてよく混ぜ、カビが付いた衣類を付けます。ときどき様子を見ながら、数時間ほどつけ置きましょう。
 
黒カビが落ちたら、優しくすすいでから洗濯し、よく乾かします。衣類を強く擦ると黒カビが繊維に入り込んでしまうので、優しく洗うことがポイントです。

カビ対策を行って大切なクローゼットや衣類を守ろう

カビ対策を行って大切なクローゼットや衣類を守ろう
 
クローゼットに発生するカビは「白カビ」と「黒カビ」の2種類あり、高温多湿でホコリや皮脂汚れなどの栄養分がある場所で発生しやすいです。
 
白カビは表面に付着していることが多いため、消毒用エタノールを使って簡単に落とせます。黒カビの場合は、素材の奥深くまで根を張っていることが多いため、根元から除去しなければならず落とすのが難しいです。
 
カビが生えやすいクローゼットは、除湿剤を置いたり、こまめに換気したりして通気性を良くすることが大切です。また定期的に掃除をしてホコリや汚れを取り除き清潔な空間を保つことでカビが発生するリスクを下げられます。
 
日頃からカビ対策を意識しながらクローゼットを使用し、大切な衣類を守りましょう。