テレビは高価で長い間使えるものなので、部屋にピッタリ合うサイズを買いたいと考える方は多いのではないでしょうか。
また、最近のテレビは番組を観るだけではなく、動画配信サービスを楽しんだりゲームをしたりと使い方もさまざまです。そのため、部屋のサイズだけでなく目的に合ったテレビを選ぶことも大切です。
この記事では、テレビサイズの選び方を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
サイズ表記「V型」と「インチ」の違い
まずはテレビサイズの表記について説明します。テレビサイズの表記には「V型」と「インチ」の2種類ありますが、フレーム部分を含めるかどうかで呼び方が変わります。
「V型」とは、ビジュアルサイズ(Visual size)の略称でテレビのフレームを含めず、映像が映し出される画面の対角線の長さをインチで表したものです。例えば、対角線の長さが50インチのテレビは50V型となります。
一方で「インチ」とは、フレームを含めたテレビ全体における対角線の長さです。1インチあたり2.54cmなので、例えばフレームを含めた対角線の長さが127cmの場合、テレビサイズは50インチと表記されます。また、「インチ」と「型」は同じ意味で使われるので「50インチ」と「50型」は同サイズです。
【テレビの解像度別】テレビサイズの選び方
テレビを選ぶ際は、サイズとあわせて解像度もチェックすると良いでしょう。解像度とは、画面や映像の細かさを「画素数」で示したもので、画素数が多いほどきめ細かな映像を映し出すことができます。また、解像度によって選べるテレビサイズが異なるので、しっかり確認することが大切です。そこでここでは、3つの解像度や選べるテレビの大きさについて説明します。
フルHD
フルHDは「フルハイビジョン」とも呼ばれ、一般家庭で広く普及しています。解像度は、1,920×1,080で「207万3,600画素」と地上デジタル放送において最大であり、テレビ番組の視聴がメインの方に適しています。テレビサイズは小型から大型まで豊富に揃っているので、部屋の広さや用途に合わせて選ぶと良いでしょう。また、4Kや8Kに比べて価格が安いので、あまりテレビに予算をかけられない方にもおすすめです。
4K
4Kの解像度は、3,840×2,160で「829万4,400画素」とフルHDの4倍あり、より高精細な映像を映し出します。地上波での放送はまだありませんが、4K対応のゲームや動画配信サービスなどが増えてきています。映像美にこだわってコンテンツを楽しみたい方にはおすすめです。ただし、4Kテレビは小型サイズが売っていないので注意が必要です。最小でも40V型なので、部屋の広さと視聴距離が十分にとれる環境であれば、4Kテレビを選択肢に入れましょう。
8K
8Kテレビの解像度は、4Kの約4倍の7,680×4,320で「3,317万7,600画素」あり、最高峰の映像を楽しめます。映像の明るさや色の変化が自然に映るので、肉眼で見るのとあまり変わらないと言われています。また、8Kテレビでは1秒間に120コマの画像を表示するため、動きが速くても滑らかで臨場感のある映像です。8Kテレビの最小サイズは55V型なので、4Kと同様に部屋の広さに合うのか確認する必要があります。また、フルHDや4Kテレビに比べて値段が高く、8K対応のテレビ放送やコンテンツはまだ少ないため、購入する前にしっかり検討しましょう。
【視聴距離別】テレビサイズの選び方3選
テレビの解像度ごとに「適正視聴距離」という画面が最もキレイに見える位置があります。購入前に、テレビの配置場所から視聴する場所までの距離を測っておくことで、おおよそのサイズの見当がつくでしょう。
ここでは、視聴距離別のサイズを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
フルHDテレビの最適なサイズ
フルHDテレビの適正視聴距離は「画面の高さ×3倍」ですが、人によって快適に視聴できる距離は異なりますので、目安として計算すると良いでしょう。例えば、視聴距離が1.5mの場合は150(cm)÷3(倍)で50cmとなり、画面の高さが49.78cmの40V型が最適なサイズとなります。この計算式を基に算出した、フHDと4Kの視聴距離ごとの最適なテレビサイズは以下のとおりです。
フルHDテレビは最も視聴距離が長いので、特に大型のサイズを選ぶ際は部屋のスペースを確認しましょう。
4Kテレビの最適なサイズ
4Kテレビの適正視聴距離は「画面の高さ×1.5倍」と、フルHDの半分です。4Kは高精細なので、フルHDの半分の距離でもキレイな映像を視聴できます。ただし、適正視聴距離では近すぎると感じる方もいるので、可能であれば実物を見ながら調整してみてください。例えば、視聴距離が0,9mの場合は90(cm)÷1,5(倍)で約60cmとなり、画面の高さが60,99cmの49V型が最適なサイズとなります。
フルHDと比べると、部屋に置けるテレビサイズが大きくなっていることが分かります。しかし、距離がとても近いため場合によっては圧迫感を感じてしまうかもしれません。そのため、視聴距離を離すか適正サイズより小さいテレビの購入を検討しても良いでしょう。
8Kテレビの最適なサイズ
8Kテレビの適正視聴距離は「画面の高さ×0.75倍」です。8Kは現在(2023年6月時点)販売されているテレビで最も解像度が高く、1m以内の距離で観ても美しい映像を楽しめます。現在発売されている8Kテレビの最小サイズは55V型なので、55V型以上で計算していきます。このように計算上は適正視聴距離がとても近くなりますが、実際にテレビを観る際は、ストレスを感じない程度に離れるようにしましょう。
【部屋の広さ別】テレビサイズの選び方4選
「部屋に合うテレビサイズが分からない…」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。部屋の広さに対してテレビが大きすぎたり小さすぎたりすると、視聴時に映像が見にくくなりストレスを感じてしまいます。
そこで、ここではテレビサイズの目安を部屋の広さ別に紹介します。
【6畳以下】少し狭めの部屋などは19~24V型
少し狭めの6畳以下の空間には、19〜24V型のテレビがおすすめです。比較的小さめのテレビなので、部屋のスペースを奪うことなく設置できるでしょう。また、軽量なので女性でも持ち運びやすく、気軽に部屋の模様替えができる点もメリットです。値段も比較的安いため、コストパフォーマンスを求める方にも向いています。
【6畳】子ども部屋やワーキングスペースなどは24~32V型
子ども部屋やワーキングスペースなどに使われる6畳の部屋には、24〜32V型のテレビが良いでしょう。部屋の広さに対してテレビが大きすぎると、圧迫感を感じてしまうことがあります。部屋の形や家具の配置にもよりますが、テレビとの距離が十分に取れない場合、24〜32V型の中でも小さめのサイズを選ぶことをおすすめします。
【8畳】ワンルームや主寝室などは32~46V型
一人暮らしのワンルームや広めの寝室として使われる8畳の部屋には、32〜46V型のテレビをおすすめします。ただし、32V型と46V型では存在感が大きく変わるため、部屋の形状や雰囲気に合った製品を選ぶようにしましょう。また、40V型あたりから各メーカーが4Kテレビを販売しています。高画質でキレイな映像を楽しみたい場合は、4Kテレビを検討してみてはいかがでしょうか。
【10畳以上】リビングなどは50V型以上
10畳以上の広めのリビングにテレビを置くのであれば、50V型以上のサイズがおすすめです。広い部屋であれば、テレビのサイズを大きくすることで見やすさが大きく変わります。リビングは、視聴距離を取りやすく家族でテレビを観る機会も多いので、大画面の方がより映像を楽しめるでしょう。また、大きいサイズのテレビがあることで、ホームシアターやスポーツ観戦などさまざまな使い方ができます。
テレビ選びでサイズ以外にチェックするべきポイント4選
テレビを選ぶ際は、サイズ以外にもチェックしておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、部屋に合ったテレビを選ぶために押さえておくべき4つの要点について解説します。
納得のいくテレビを購入したい方は、ぜひ参考にしてください。
消費電力はどれくらいか
毎日テレビを長時間つけている方は、電気代に影響を与えるので消費電力をチェックしてみると良いでしょう。一般的に、サイズが大きくて解像度が高いテレビほど消費電力が大きいと言われています。最近は省エネテレビが増えており、節電モードや無操作自動電源オフなどさまざまな機能が搭載されています。このような家電には、省エネ性能が分かりやすく記載されている「省エネルギーラベル」や「統一省エネラベル」が表示されており、比較する際に役立つでしょう。例えば、省エネ性能ラベルがあるテレビの年間の電気料金を一般的な料金単価で計算すると1,320円です。電気代を安くしたい方は、ぜひ確認してみてください。
参照:資源エネルギー庁|2021年省エネラベルガイドブック
動画配信サービスに対応しているか
動画配信サービスをよく利用する方は、検討中のテレビが対応しているかどうかや、利用できるコンテンツをチェックしておきましょう。近年はYouTubeやネットテレビなど、たくさんの動画配信サービスが提供されています。テレビによって対応しているサービスが異なるので、利用したいサービスがある場合は事前の確認が重要です。また、最近はリモコンのボタンに動画配信サービス機能が付いているモデルもあるので、ネット動画をよく観る方は検討してみると良いでしょう。
スピーカーの性能は高いか
映画やスポーツをよく観る方やゲームをする方は、スピーカーの性能にこだわってみるのもおすすめです。高音質のモデルを選ぶことで、迫力や臨場感のあるサウンドを自宅で楽しめます。スピーカーのスペックは「W(ワット)」で表記され、ワット数が大きいほど大音量を出せます。ワット数はあくまで音量の単位であるため、数が大きければ高音質になるとは限りませんが、スピーカーの性能を比較する際に確認してみると良いでしょう。
壁掛け・スタンドに対応しているか
部屋の広さや雰囲気に合わせて壁掛け式かスタンド式かを選びたい方は、どちらも対応しているテレビを検討しましょう。壁掛け式のメリットは、スペースを必要以上に取らないため部屋全体がスッキリする点です。ただし、取り付け工事を行わなければならないため、壁を傷つけてしまう上に1度設置したら位置を変えにくくなるというデメリットがあります。また下地が入っていない壁にはテレビを取り付けられないため、注意しましょう。
一方でスタンド式のメリットは、設置場所の自由度が高く配置換えがしやすい点です。また、スタンドはテレビ台のようにスペースを取らないため、スマートにテレビを置けます。ただし、スタンドによっては収納がなかったり配線が目立ったりすることがあるので、工夫が必要です。
壁掛け式とスタンド式のどちらも選べるように、両方に対応しているテレビを検討してみてください。
部屋に最適なサイズのテレビを選んで快適なおうち時間を過ごそう
テレビのサイズを選ぶ際は、まず「視聴距離」と「部屋の広さ」から検討してみると良いでしょう。ただし、解像度が高くなるほどテレビサイズの種類が減るので、4K以上を希望する場合は注意が必要です。
サイズ以外にも用途に合わせてチェックできるポイントがあるので、しっかり確認しながら最適なサイズのテレビを選んで映像を楽しんでくださいね。