「部屋を探すときはいつから行動すれば良いの?」「新居に住むまでにやるべきことって何?」と引っ越しの準備に悩まれる方は多いのではないでしょうか。とくに引っ越し経験が少ない方は、何から手をつけて良いか迷ってしまいますよね。
 
賃貸・分譲問わず引っ越しまでにはたくさんの手続きがあり、遅れてしまうと生活に支障が出る可能性もあります。そのため、しっかりとスケジュールを立てることが大切です。
 
本記事では部屋探し・家探しに必要な手続きを、スケジュールと共に解説します。引っ越しの予定がある方や検討中の方は、ぜひ参考にしながら計画を立ててください。
 

【賃貸の場合】部屋探しは2ヶ月前から!引っ越しまでのスケジュールを解説

【賃貸の場合】部屋探しは2ヶ月前から!引っ越しまでのスケジュールを解説
 
部屋を借りる場合、大体2ヶ月前から探し始めることでゆとりをもって引っ越しが行えます。賃貸物件の場合は早く希望の物件を見つけても、入居までの期間が長いと仮押さえができないため契約できない可能性があります。そのため、適切な時期から探し始めることが重要です。
 
ただし1〜3月は繁忙期のため、早く空室物件が埋まってしまいます。この章で解説するスケジュールより、1〜2週程度前倒しで行動することがおすすめです。

【2ヶ月前】引っ越し先の条件を決める

インターネットや不動産会社で部屋探しを始める前に、希望の条件を整理しましょう。
 
  • ・引っ越し希望日
  • ・家賃(共益費含む)の上限
  • ・間取り、広さ設備
  • ・住むエリア
  • ・立地
  • ・周辺環境(スーパーや公共施設など)
 
まずは条件を絞りすぎなくても良いので、思いつくだけ書き出してみましょう。その後、お部屋探しサイトなどで家賃相場を見たり、設備条件やエリアを少しづつ絞り込んでいくことで優先順位をつけていきましょう。
 
住みたいエリアは実際に歩いてみると、街の雰囲気や治安・買い物の便利さなどがわかります。「自転車利用がメインなのに坂が多い」「自動車を持っているが物件の周囲には一方通行しかない」など、記載されている情報だけではわからない気づきもあるため、ぜひ一度訪れてみましょう。

【1.5ヶ月前】不動産会社に相談に行く

希望条件を絞り込んだらお部屋探しを開始します。不動産会社に訪問する際は事前予約をしておくことで、現地で待つ心配がなくなります。
 
連絡時に希望物件や条件をあらかじめ伝えておくと、担当者に準備しておいてもらえるため、スムーズに内見できます。1日で3〜4件程度が内見の上限のため、たくさん見たい方は複数日程を確保しておきましょう。
 
部屋との出会いは一期一会であり、タイミングによっても大きく左右されます。担当者に細かく希望を伝えておけば、希望に近い物件の空室が出た際に教えてもらえることもあります。
内見のポイント記事が公開されたらリンクを貼る(11/1公開予定)

【1ヶ月前】新居の申し込みと現住居の解約手続きを行う

住みたい部屋が見つかったら、申し込み手続きを行います。この時点では、まだ契約は完了してません。家を貸す側であるオーナーもしくは不動産会社の審査に通れば契約に進みます。連帯保証人を用意できない場合などは、保証会社の審査も必要になるケースがあります。
 
審査は時期にもよりますが、3〜7日程度で完了します。書類に不備や不足があると、再度審査し直しになるため、よく確認してから提出しましょう。無事審査が通れば、契約書類を提出し完了です。
 
新居の入居日が決まったら、それに合わせて現住居の解約手続きも行いましょう。退去日の1ヶ月前通告が基本です。二重支払い期間を減らすためにも、いつまでに連絡すれば良いかをあらかじめ確認しておきましょう。搬出日や、ガスの解約立会が必要な場合はそれも計算に入れながら、退去日を決定してください。

【3〜4週間前】引っ越し会社やインフラ会社への連絡を行う

引っ越しの場所と日時を決めたら、引っ越し会社に連絡しましょう。会社によって料金やオプションも異なるため、少しでも安く抑えたい方は必ず相見積もりをとってください。また、繁忙期や土日・祝日を避けると料金は安くなります。
 
合わせてライフラインの解約のために、以下の契約会社への連絡も欠かさず行いましょう。
  • ・ガス
  • ・電気
  • ・水道
  • ・インターネット
引き続き同じ会社と契約する場合は、引っ越し手続きを行いましょう。会社を変える場合は、契約解除と新規契約の両方が必要になるため忘れないようにしてください。インフラ周りをまとめて契約してくれる代行会社もあるため、時間がない場合は活用を検討しましょう。

【1〜2週間前】住所変更を行う

引っ越しの準備と並行しながら住所変更の手続きも行いましょう。現在住んでいる市区町村の役所で、転出届の手続きを行ってください。手続きは引っ越し日の14日前から可能です。なお、同じ市町村で引っ越しの場合は、転出届ではなく転居届となります。
 
転出証明書は引っ越し先の役所に提出するため、保管しておきましょう。そのほか、郵便局への転送手続きや免許証・マイナンバーカードの住所変更なども忘れないようにしてください。

【分譲の場合】家探しは6ヶ月前から!引っ越しまでのスケジュールを解説

 
家探しは6ヶ月前から!引っ越しまでのスケジュールを解説
家を購入する場合は賃貸物件に比べて手続きも多く、時間もかかります。引っ越し希望日から逆算して、大体6ヶ月前から探し始めると良いでしょう。
 
ローン申し込みや必要書類の準備の際には、多くの関係者とやりとりが発生します。自分が思っているスケジュール通りに進まないこともあるため、早め早めの準備を心がけましょう。

【5〜6ヶ月前】条件を決めて、内見を開始する。

賃貸と同じようにまずは希望の条件を洗い出しましょう。一度家を購入すると簡単には引っ越せないため、より慎重に考える必要があります。
 
購入の場合は、長期間住むことが前提となるためライフスタイルや同居人数の変化を見据えた条件設定を心がけてください。
 
新築物件ではモデルルーム見学や実際に竣工済みの物件であれば現地内見へ向かいます。中古物件を購入する場合はまだ居住中であることも多く、すぐに内見ができないことがあります。そのため何部屋かみる場合は、複数日程に分かれることが多いです。どちらの場合も事前に予約してから向かうと、待ち時間も少なく安心です。

【3〜4ヶ月前】希望物件の購入申し込みと住宅ローン事前審査を実施

希望の物件が見つかったら、購入申し込みを行います。この際に、住宅ローンを利用する場合は金融機関へ希望金額まで借入が可能か事前審査を申し込みます。金融機関の事前審査申し込みは、金利条件などを比較検討できるように複数機関で実施するのがおすすめです。
約2〜3営業日で事前審査結果が分かります。

【事前審査後】売買契約の締結

事前審査に通った後は、いよいよ売買契約を締結します。新築の場合は不動産会社と契約しますが、中古の場合は売主が個人の場合が多く、仲介会社も含めた関係者のスケジュール調整が必要です。
 
重要事項説明と、売買契約書の確認を行います。問題がなければ、売買契約書などに署名・捺印し、手付金を入金すれば契約完了です。すべての手続きが完了するまで約2〜3時間かかります。

【契約締結後】住宅ローン本審査

事前審査の結果にて決めた金融機関で、住宅ローンの本審査を行います。本審査には約1週間~10日間程度の期間が必要で、事前審査より厳格なチェックがあり提出書類も精査されます。
 
また、ローン契約者が死亡や高度障害になってしまったときにローン残額が弁済される「団体信用生命保険」の加入手続きもこのタイミングで行います。

【審査通過後】住宅ローン契約の締結

無事に住宅ローンの本審査が終わった後は、金融機関と金銭消費貸借契約(お金を借りる契約)を結びます。住民票と印鑑証明は、事前に購入物件の住所に変更しておく必要があります。所要時間は2〜3時間です。
 
金額や期間、金利を確認した上で契約書類に署名と捺印を行なってください。同時に、支払い不履行の際の担保となる抵当権の設定登記も行います。

【2週間〜3ヶ月前】引き渡し

売主に残代金の振り込みが行われ、司法書士による所有権移転登記手続きを完了すれば所有権が移ります。売買代金の振り込みは、住宅ローンを利用して当日中に着金できるよう、金融機関が開いている平日の午前中に引き渡しされることが多いです。
 
ただし、新築の場合は不動産会社によって、住宅ローンの事前実行により休日引き渡しをしている場合もあります。また、引っ越しの2週間前頃に引き渡しを行うことが一般的です。
 
リフォーム・リノベーションが未実施の中古物件の場合、必要に応じて自ら行う必要があります。一度住み始めてしまうと工事が困難になるので、このタイミングで希望のお部屋に仕上げていきましょう。工事の際は事前に管理組合や管理人に工事を行う旨を伝えておきましょう。
 
設備によって資材の取り寄せが必要になるなどリフォーム箇所によって工期も変わるため、かかる時間はさまざまです。引き渡しが完了してから作業が始まります。余裕をもって2~3ヶ月後に引っ越し日を設定しましょう。

【1ヶ月前】引っ越しの手配と準備を行う

引っ越し日が決まったら、引っ越し会社の手配とライフラインの手続きを開始してください。また、事前に管理組合や管理人に引っ越しを行う旨を伝えておきましょう。
 
引っ越し会社の駐車スペースの確保や引っ越しルールなどもそのタイミングで確認します。マンションの場合は上下左右の住戸に挨拶するなど、トラブルにならないような配慮が大切です。
 
【関連記事】住宅購入の流れや購入から入居までの期間は? 失敗しないための注意点も解説

部屋探しを行う時の3つの注意点

部屋探しを行う時の3つの注意点
 
納得できる部屋探しを行うためには、適切なスケジュールを計画し、希望条件を整理した上で不動産会社を訪問しましょう。不動産会社によって紹介してもらえる物件が異なる場合があるため、2〜3社程度に訪問できると安心です。
 
これまでの内容より、部屋探しにおける注意点を3つまとめて紹介します。より良い物件を探す参考にしてください。

①適切な時期に家探しを行う

部屋探しのタイミング次第では、理想通りの新居に出会えない可能性があります。例えば、賃貸物件は仮押さえの制度がないため、契約から家賃の発生までは2週間〜1ヶ月程度です。そのため、部屋探しが早すぎても入居のタイミングと合わず、引っ越し日の調整が必要になってしまいます。
 
また、中古の分譲の際はリフォーム・リノベーションを自ら手配する場合、想定よりも時間がかかってしまうケースがあるため、余裕をもって探すといいでしょう。。
 
一方で引っ越し繁忙期である1〜3月には、部屋探しが遅れると希望条件の物件がなくなってしまっていることもあります。
時期や引っ越しまでにかかる時間を逆算しながら、適切な時期に家探しを開始してください。

②条件に優先順位をつける

部屋探しの際は、インターネットで下調べしてから不動産会社へ訪問するケースがほとんどです。その際には、希望条件を優先順位をつけた上でまとめておきましょう。
 
インターネットで見たときは良い部屋だと思っても、実際に内見したらイメージと違う場合があります。完全に自分の希望通りの部屋を見つけるのは難しいので、優先順位の低い条件を諦めるケースもあるでしょう。
 
絶対に外せない条件は5つ程度にまとめ、順位をつけておくのがおすすめです。譲れない条件が増えてしまうと、家賃がどんどん上がってしまいます。「これだけは外せない条件」と「予算◯円アップだったらつけたい希望の条件」の2つに分けて整理しておくことでスムーズに探せます。

③複数の不動産会社を訪問する

物件には「どの不動産会社でも紹介している部屋」と「特定の不動産会社でのみ紹介している部屋」があります。そのため、複数社回ることで出会える部屋が増えます。
 
また、不動産会社と同じくらい大切なのが営業担当です。良い営業担当は希望条件や理想の暮らしをヒアリングし、自分にぴったりの部屋を探し出してくれます。理想の部屋や営業マンに出会うためにも、2〜3社程度訪問することがおすすめです。

いつから部屋探しを行うか、自分なりのスケジュールを立ててみよう

 
いつから部屋探しを行うか、自分なりのスケジュールを立ててみよう
部屋探しの際は不慣れな手続きや難しい言葉が出てくることもあり、何をいつから行えば良いか悩んでしまうことも多いです。事前に計画を立ててなかったばかりに、後から必要な手続きがたくさん発生して、焦ってしまうこともあるでしょう。
 
部屋探し前には、本記事で紹介したスケジュールの目安を参考に、一度予定表を書いてみましょう。仕事や学校など日常生活と並行して行わないといけないため、思ったより時間がないことに気づくと思います。
 
部屋探し・家探しの際は、自身が納得できる物件と出会うためにも、ゆとりある計画を立ててください。