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内見は契約前に実際の部屋に入って、間取りや設備を無料で確認できる機会です。部屋を探している方にとっては、生活のイメージをする上で欠かせません。
しかし、内見でどのようなポイントを確認すれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。実は、分譲マンションと賃貸マンションでは内見時に確認しておくべきポイントが異なります。
そこで、この記事では分譲マンションと賃貸マンションそれぞれの内見のポイントについて解説します。これから内見を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
内見とは?持っていくと便利なグッズも紹介
内見とは内部見学の略語です。気になった物件を見つけた際に、契約前に実際に部屋の中に入り、間取りや設備などを無料で確認することを指します。似た言葉に「内覧」がありますが、意味的な違いはありません。
内見は部屋の中の確認が主な目的ですが、周辺環境を知ることも重要です。生活していく上では、マンション周辺の住環境や商業施設、公共交通機関などの利便性は大切だからです。
内見の際は「間取り図面・メジャー・筆記用具」を用意しておくと良いでしょう。カメラ・小型ライト・コンパス・水平器などはスマホのアプリで代用できます。
【分譲・賃貸共通】内見の4つのポイント
内見では、あらかじめ確認するポイントを理解しておくことが大切です。こちらでは、分譲・賃貸共通の内見のポイントを4つの項目に分けて紹介します。
部屋
内見の際は、以下のチェックもしっかりと行いましょう。● 家具スペース
● 収納スペース
● 搬入経路
部屋の広さや配置は図面でも確認できますすが、窓の大きさや壁・床の色などの内装によって、図面とは印象が異なることがあるため実際の部屋を自身の目で確認することが大切です。また部屋の広さは、家具を置くと大きく変わります。内見に行く前に持ち込む予定の家具のサイズを測っておくと、家具を配置できるスペースがあるか生活動線をイメージできるためおすすめです。
収納スペースは、扉を開けて広さや形を確認しましょう。メジャーでサイズを測っておくと、自身の衣装ケースなどが収まるか確認できます。収納スペースの扉開閉方法や、ハンガーパイプの有無などの確認も重要です。
引っ越しの際の家具・家電の搬入経路は、細かく確認しておいた方が良いでしょう。ソファや冷蔵庫などの大型家具・家電は、通路が狭い場合には搬入できない可能性があります。
通路の幅だけでなく、エレベーターの開口部や玄関、扉の開く向きなどを確認しておくことが必要です。もしも通路を通らない場合は、商品の買い替えかベランダからの搬入などを検討する必要があり、その分の費用がかかってしまいます。
設備
内見の際は、以下のような設備関係のチェックもしっかりと行いましょう。● 水回り
● コンセント
● TV端子
● LAN
● エアコン
浴室やトイレなどの水回りは湿気が溜まりやすいので、換気性能を確認しておくことが重要です。TV端子とLANポートは各部屋に付いているかテレビを設置する予定の場所から離れていないかなどを確認しましょう。BS/CS放送が見られるかについては、営業担当者に聞いておきましょう。
エアコンが設置済みの物件の場合は、故障の有無や耐用年数を確認します。中古や賃貸の場合は使用状況によってクリーニングが必要になるため、エアコンから出てくる風の臭いもチェックも必要です。設置されていない場合は、室外機置場や配管穴も確認しておきましょう。
外部環境
以下の外部環境のチェックを行いましょう。● 日当たり
● 騒音、風通し
● 電波
日当たりは、部屋の明るさや室温にも影響を与える重要な要素ですが、近くに建物があれば日が入らないなど、周辺の環境も影響するため、実際に部屋に行ってみないと確認できません
日当たりは内見に行く時間によって、大きく印象が変わります。南向きの部屋の場合は日が高い午後の早い時間、西日が気になりそうな部屋では夕方に行くなど、確認したい時間帯に合わせることが大切です。
騒音や風通しも内見に行かなければわからないポイントです。窓を開閉して、それぞれの状態で「外や隣接住戸の音がどの程度聞こえるか」「空気の入れ替えが十分にできるか」などを確認しましょう。ただし、騒音は休日と平日、時間帯により変わる場合もあります。
また、内見の際に電波の入りやすさも確認しておくのがおすすめです。自宅でスマートフォンのインターネットが円滑に利用できないのは大きなストレスになるので、ご自身のスマートフォンで電波状況を確認しておきましょう。
共用部
内見時には、以下の共用部もチェックを行いましょう。● 清掃状況
● セキュリティ
● 駐輪・車場
ゴミ置き場の分別ルールの遵守や共用廊下の清掃状況は、管理の質をチェックする判断材料になります。居住者のマナーも知ることができるので、必ず見ておきましょう。
エントランスのオートロックやエレベーターなども、毎日利用するものなので使い勝手を確認しておきます。また、エントランスはオートロックのほか、防犯カメラやモニター付きインターホンなど、どのようなセキュリティ対策が取られているか確認しておくことが大切です。
自転車置場は物件によって、ラックの形状や入れやすさが大きく異なります。車やバイクを利用する方は、円滑に出し入れができるかを確認しましょう。また、居住人数分の駐輪・駐車場所が確保できないケースもあるため、空き状況も営業担当者に聞いておくのがおすすめです。
【分譲】内見の3つのポイント
分譲マンションの内見には、賃貸とは異なる確認ポイントがあります。こちらでは、分譲特有の確認ポイントを3つ紹介します。
水回りや電気設備(中古の場合)
中古の分譲マンションを購入する場合、水回りや電気設備の異常がないか確認が必要です。共用部分を除き、室内の各種設備の不具合は自身で修理をしなければなりません。水回りや電気設備は経年劣化するため、定期的な修理が必要です。給湯器のように更新時期がわかるものは、内見の際に確認しておきましょう。
また水回りは動作確認だけでなく、シンクの汚れなども確認しておきます。汚れが酷い場合には「クリーニングで落とせるか」購入前に検討が必要になるためです。
部屋の仕様・内装(新築の場合)
新築分譲マンションの場合、部屋の仕様を確認することが大切です。モデルルームで部屋を見ていたとしてもオプションやグレードが異なる仕様になっていて、自身の住戸と異なる可能性があります。また内装もパンフレットなどで見た印象とは異なる場合があるため、クロス(壁紙)や床の色合いなど、実際の部屋で確認すると良いでしょう。
また新築であっても、クロスや床の施工不良や傷がないか確認しておきましょう。アフターサービス期間がありますが、トラブル回避のためにも引渡し前に指摘するのがおすすめです。
眺望
眺望の良さは、部屋の資産価値に影響を与えるポイントとなるため、確認しておきましょう。ただし、購入時の眺望は絶対変わらないものではありません。目の前に建物ができてしまうと、せっかくの眺望が遮られてしまい資産価値にも影響を与えるケースがあります。そのため、内見時に近隣の建築(建設?)計画を確認するなど、将来的に眺望が失われるリスクも考慮して部屋を選ぶことが重要です。
【賃貸】内見の3つのポイント
賃貸物件の場合は以前にほかの方が生活しているケースが多いため、汚れや臭いなどを内見の際に確認しておくことが大切です。こちらでは、賃貸物件の内見のポイントを3つ紹介します。
内装の汚れや傷み具合
内見の際は、前の居住者による汚れや傷を確認しておくことが重要です。入居前に汚れなどがあることを指摘しておかないと、自身が退去する際に原状回復義務を負う可能性があります。気になる汚れや傷は写真を撮り、不動産会社に確認しておくと良いでしょう。またタバコのヤニや汚れが酷い場合には、クリーニングが可能か相談するのがおすすめです。汚れの状況によっては、壁紙の張替えなどの対応をしてもらえる可能性もあります。
備え付けの設備
水回りや照明などの設備が、正常に動作するか確認しておきましょう。修理や交換が必要な場合は、不動産会社や大家さんに対応してもらえるか確認が必要です。エアコンが付いていないケースなど、自身で購入が必要な設備の確認も大切です。また前の居住者が残していった、家具や家電が置いてある可能性があります。不要な家具を自身で処分することにならないよう、内見時に確認しておきましょう。
気になる臭いが残っていないか
分譲の中古マンションにも言えますが、賃貸物件は前の居住者の利用状況により臭いが気になる場合があります。排水管やタバコなどの臭いは、生活していく上で気になるものです。不快な臭いがないか、注意して確認しておく必要があるでしょう。また日当たりや通気性の悪い部屋の場合、カビが発生している可能性があります。カビは臭いだけでなく健康にも悪影響を与えるため、必ず確認するようにしましょう。
【周辺環境】内見のポイント
内見のポイントは、部屋の中だけではありません。生活の安全性や利便性の観点から周辺環境も確認しておきましょう。こちらでは、内見の際に確認しておくべき周辺環境について2つ紹介します。
駅からのルート
駅から物件までのルートは、実際に歩いてみるなどして確認しましょう。駅からの距離は「徒歩◯分」と物件情報にも記載されていますが、実際に自分の足で歩いてみるのがおすすめです。所要時間を測っておくことで、実際の生活をイメージしやすくなります。また女性や子どもがいる世帯では、駅からのルートの安全性の確認が必要です。例えば、車の交通量や街灯の有無などを確認しておくと良いでしょう。
近隣施設
生活の利便性を確認するため、近隣の商業施設や公共施設の位置を調べておくと良いでしょう。駅からのルートや近隣にスーパーやコンビニがあれば、買い物に困ることはありません。また風紀を乱す、風景やイメージを低下させる可能性のある施設や、騒音や悪臭を発生させる施設の有無の確認も必要です。
子どもがいる世帯では、学校、病院や公園の場所を確認しておくと良いでしょう。実際にこの町で暮らすことをイメージして、自身の仕事や家族にとって生活しやすい場所であるか確認してみましょう。
内見時に営業担当者に聞くと良い質問
せっかく内見に行くのであれば、営業担当者に質問して疑問点が残らないようにしましょう。内見時に聞くのにおすすめの質問は、以下のとおりです。
● 空室期間
● 回転率
● 退去・転売理由
● 他物件との比較
● 居住者(または近隣)から受けたクレーム
空室期間が長かったり回転率が早かったりする物件は、居住者が定着しないような原因があるかもしれません。また良好な住環境には、近隣居住者との関係も重要な要素です。住み始めてから騒音などのトラブルに巻き込まれないよう、事前に確認しておきましょう。
分譲・賃貸の場合で見るべきポイントをそれぞれ理解しておきましょう
部屋探しをしている方にとっては、間取りや設備などを確認する上で内見は欠かせません。ただし内見で確認するポイントは、分譲と賃貸では共通する点と異なる部分があります。
分譲では、部屋の仕様や将来的な資産価値を確認しておくことが必要です。新築分譲の場合、モデルルームやパンフレットでも確認できる部分はありますが、仕様が異なる点もあるため、自身の目で確認することが大切です。
賃貸物件や中古の分譲マンションでは、これまでの居住者による汚れや設備の動作を確認しておくことが大切です。築年数が古い賃貸物件は、内装や設備の経年劣化が避けられません。事前に汚れ等を確認しておかないと自身が退去する際に、原状回復義務を負うリスクがあります。
内見は何度でも可能ですが、二度手間にならないよう確認するポイントを頭に入れて臨むようにしましょう。