バルコニーを活用したガーデニングは、マンションや広い庭がない物件であっても植物の観賞や栽培を楽しめる方法です。ただしバルコニーでガーデニングを楽しむにはマンションならではの制約があります。事前に管理規約や管理組合のルールも必ず確認しましょう。
この記事では、バルコニーでガーデニングを行うための準備や注意点、おすすめの植物を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

バルコニーでガーデニングをする3つのメリット

バルコニーでガーデニングをする3つのメリット
 
身近な場所にお気に入りの観葉植物や花があるだけで気持ちが癒されますよね。こちらでは、バルコニーでガーデニングを楽しむ際の3つのメリットを紹介します。

リラックス空間やコミュニケーションの場が作れる

バルコニーは部屋からすぐに見える位置にあるため、世話をしている植物が毎日目に入ります。植物が身近にあることは、日々の生活の気分転換となり癒しを与えてくれます。緑を眺めるだけで心が落ち着き、ストレスの解消につながるでしょう。
 
またガーデニングは、家族のコミュニケーションの場としても最適です。特に子どものいる家庭では、野菜を育てることで食育につながる、日々の水やりをお願いすることでお手伝いの習慣を身に付けられるなどの効果が期待できます。

日除けや目隠しとして活用できる

つる性の植物や大きな葉を持つ植物は、自然の日除けとして機能し夏の暑い日差しを和らげます。室内の温度上昇を抑えることでエアコンの使用を控えることができ、電気代の節約にもつながるでしょう。
 
また、バルコニーの植物は外からの視線を遮るため、目隠しとしての役割も果たします。バルコニーでのガーデニングは、緑豊かな環境を楽しめるだけでなく、日除けやプライバシー保護にも役立ちます。
 
 

天候の影響を受けにくく育てやすい

バルコニーでのガーデニングは天候に左右されにくいため、初心者でも植物を育てやすいメリットがあります。雨天時でも直接雨が植物にかからないため、過剰な水分による病気を防げます。一方、晴れた日はたっぷりと日光を浴びられるため、植物の成長環境としては最適です。また高層階では虫がつきにくく、植物を育てやすいメリットもあります。
 
ただし、台風や大雨の際は注意が必要です。強風による植物の損傷や落下を避けるためには、事前に屋内に移動させるなどの対策をしなければなりません。荒天時の対応に注意すれば、バルコニーでのガーデニングを年間通して楽しめるでしょう。
 

バルコニーでガーデニングを始める際の4つの注意点

バルコニーでガーデニングを始める際の4つの注意点
バルコニーでガーデニングを楽しむには、4つの注意点があります。注意点をあらかじめ理解しておくことで、予期せぬトラブルを避けられるでしょう。

バルコニーの荷重制限を守る

バルコニーには、過剰な負荷を与えないための荷重制限が設けられている場合があります。重い鉢や水がたっぷりと含まれた土を置くと荷重制限を超えてしまい、バルコニーの構造に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。
 
荷重制限を超えないためには、植物の量だけでなく鉢の材質やサイズにも気をつけることが必要です。バルコニーを安全に利用するためにも、事前に設計荷重を確認しておきましょう。

避難口や排水口などを塞がないようにする

避難はしごが収納されているハッチや、隣の住戸のバルコニーとの間にある蹴破り戸(隔て板、間仕切り板)は、災害時の避難に支障をきたす可能性があるため、植物で塞がないようにする必要があります。
 
また植物によって排水口が塞がれてしまうと、雨水が正常に流れず水が溜まってしまい、あふれた雨水が下階に流れ落ちる可能性がありますまた、排水口のつまりは、虫の発生する原因や病気の発生など植物にも悪影響を与える可能性もあるため注意が必要です。ガーデニングを計画する際には、スペースに余裕を持って配置することを心がけましょう。

近隣に迷惑をかけないようにする

バルコニーガーデニングでは、近隣住民に迷惑をかけないように配慮することも大切です。特にバルコニーからの鉢の落下は、近隣住民や通行人にケガを負わせてしまう可能性があります。そのため、転倒防止のストッパーを取り付けるなどの安全対策が求められます。
 
また「落ち葉や土の飛散」は近隣トラブルの原因になります。落ち葉や土を定期的に掃除するなど日常的な管理を欠かさずに行いましょう。清潔さを保つことが、近隣トラブルを防ぐことにつながります。

管理規約で禁止事項を確認する

バルコニーは専有部分と認識されがちですが、緊急の際は避難経路として活用するため、階段や共用廊下などと同様に共用部分とされています。各住戸で専用に使用できるものの、住戸の所有者に所有権はないため、住んでいるマンションやアパートの管理規約に沿って使用しましょう。

バルコニーでガーデニングを始める前の2つの準備

バルコニーでガーデニングを始める前の2つの準備
ガーデニングを始めたいと考えている方は、バルコニー特有の条件を理解してから準備を始めることが大切です。こちらでは、バルコニーでのガーデニングでおさえておくべき2つのポイントを紹介します。

バルコニーの環境を確認する

物件の向きは、どの植物を選ぶかに大きく影響するため、バルコニーでのガーデニングでは、あらかじめ日当たりや風通しを把握しておくことが大切です。
例えば、日当たりが良い物件の場合は直射日光に強い植物を選ぶ必要があります。またバルコニーの高さや周囲の建物によっては、日陰が常にできる場所もあるため、日照時間が生育に与える影響の少ない植物を選ぶ必要があるでしょう。栽培環境は、植物選びの前提条件となります。

予算を決める

ガーデニングを始める前に予算を決めることは、必要な資材を効率良くそろえるために欠かせません。ガーデニングの費用は、使用する資材の種類、購入する植物の量によって大きく変わります。
 
また予算計画には、長期的なメンテナンス費用も考慮しましょう。ガーデニングには植物の肥料や病害虫の防止策など、初期投資だけでなく継続的なコストも考慮する必要があります。
 
初期費用だけでなくメンテナンス費用もあらかじめ想定しておくことで、ガーデニングを長く楽しむための見通しが立てられます。
 

バルコニーガーデニングに必要な資材の選び方

バルコニーガーデニングに必要な資材の選び方
バルコニーでのガーデニングを楽しむためには、限られたスペースを有効に活用でき、デザイン性に優れた資材を選ぶことが大切です。こちらでは、ガーデニングを始める際におすすめの資材の選び方を紹介します。

鉢・プランター

鉢やプランターは、軽量で丈夫な樹脂製の鉢を選びましょう。また持ち運びやすさを考慮して「脚付き」や「キャスター付き」の製品を選ぶと、掃除時や配置変更の際に便利です。デザイン性も重視し、栽培場所の雰囲気に合わせた色や形を選ぶと、より美しい空間を作れるでしょう。

ガーデニングで使用する土は、腐葉土や元肥を混ぜた培養土を使うことが一般的です。培養土は、植物に合った土と資材をブレンドする必要がないため便利です。
 
培養土は、様々な植物に特化した製品が販売されています。植物によって必要な養分や水の保持能力が異なるためです。培養土の選択は成長に大きく影響するため、植物に応じて適切な製品を選びましょう。
 
また土は近年軽量化されているため、風で飛ばされないように保水力と排水性を備えた製品を選ぶことも大切です。

棚・ラック

棚やラックを利用すると植物を縦に配置でき、バルコニーの限られた空間を有効活用できます。特に、バルコニーが狭い場合には欠かせない資材といえます。棚やラックは様々なデザインがあるので、自身が作りたい雰囲気に合った製品を選ぶと良いでしょう。

人工芝・パネルなどの床材

バルコニーの床に人工芝や装飾パネルを敷くことで、より自然な雰囲気を演出できます。人工芝は見た目だけでなく、はだしで歩いた時の感触も心地よく、リラクゼーションスペースとしての利用にも最適です。人工芝やパネルを選ぶ際は、耐候性や水はけの良さを確認し、メンテナンスが容易なものを選びましょう。

ウッドフェンス

ウッドフェンスは、バルコニーでのガーデニングにおいて、多目的に活用できる資材です。例えばつる性の植物を育てる際には、ウッドフェンスをサポートとして活用できます。またウッドフェンス自体がバルコニーのデザインを引き立て、ナチュラルな雰囲気を演出する効果もあります。
 
プランターと一体化しているウッドフェンスもあるので、バルコニーのサイズや植物の種類に合わせて活用を検討してみましょう。
 
 

バルコニーでのガーデニングにおすすめの植物

バルコニーでのガーデニングにおすすめの植物
バルコニーでのガーデニングでは、環境に応じた植物を選ぶことが大切です。こちらでは、バルコニーの日当たりの具合に応じたおすすめの植物を紹介します。

日当たりが良いバルコニー

日当たりが良いバルコニーでは乾燥ぎみになる上、真夏は太陽光の反射熱で高温になります。そのため、日光を好む「シマトネリコ」や「オリーブ」「ゴムの木」などの耐久性の高い観葉植物がおすすめです。
 
「シマトネリコ」は鮮やかな緑が特徴の植物です。風で葉がなびくと涼しげな良い音がするため、ガーデニングで人気があります。「オリーブ」は屋外のプランター栽培では定番と言える、人気のある植物です。
 
「ゴムの木」は大きく美しい葉が人気の植物です。耐暑性にも優れており、バルコニーで直射日光を浴びることで丈夫に育ちます。

日当たりがあまり良くないバルコニー

日が当たりにくいバルコニーでは、日陰でも生育に大きな影響を受けにくい「ドラセナ」や「アイビー」などの植物がおすすめです。
 
「ドラセナ」は幸福の木とも呼ばれる縁起の良さや、枯れにくいなどの育てやすさから人気の植物です。「アイビー」は丸みのあるかわいらしい葉が特徴で、つるが長く伸びる特徴があるため、支柱やウッドフェンスにはわせるとおしゃれな空間を作れます。
 

バルコニーでのガーデニングはルールを守った上で雰囲気を考えることから始めてみましょう

バルコニーでのガーデニングはルールを守った上で雰囲気を考えることから始めてみましょう
バルコニーでのガーデニングは、マンションの管理規約を確認し、安全上問題のない範囲で行うことが大切です。また落ち葉や土が飛散して、近隣住民に迷惑をかけないように配慮しましょう。
 
ガーデニングは日常の生活に癒しを与えてくれ、家族のコミュニケーションの場になります。魅力的な空間を作り上げるためには、栽培場所の条件を理解した上で、自身の好みに合った品種や資材を考えることから始めてみましょう。