サーキュレーターについて「扇風機との違い」や「使い方」がよくわからないという方は多いのではないでしょうか。サーキュレーターと扇風機は形状が似ていますが、風の強さや送り方に大きな違いがあります。
 
違いを理解せずに購入しても、求めている効果が得られない可能性があります。そこでこの記事では、サーキュレーターと扇風機の違いや効果的な使い方について紹介します。

サーキュレーターと扇風機の使用目的の違い

サーキュレーターと扇風機の使用目的の違い
 
サーキュレーターと扇風機は、どちらも羽で風を送る機能を持った製品です。しかし、両者には明確に使用目的の違いがあります。サーキュレーターと扇風機、それぞれの使用目的について紹介します。

サーキュレーターの使用目的

サーキュレーターは、部屋の空気を循環させることを目的に使用します。サーキュレーターの特徴は、遠くまで強い風を届けられることです。一部に集まった暖気や冷気に風を当てて、分散させることで部屋全体の温度を均一にできます。
 
ただし強い風が出るため、人に向けては使いません。空気を循環させることが目的であるため、部屋の壁や天井に向けて使用します。

扇風機の使用目的

扇風機は人に向けて直接風を送り、涼をとることを目的に使用します。扇風機は優しい風を広範囲に送ることができるため、直接人にあたっても不快に感じません。最新の扇風機では「いかに人が快適に感じる風を送るか」という点で改良されています。

サーキュレーターと扇風機の電気代に大きな違いはない

サーキュレーターと扇風機の電気代に大きな違いはない
 
サーキュレーターと扇風機は、どちらも消費電力は20〜35W程度と大きな違いはありません。27円/1kWhで計算した場合、サーキュレーターと扇風機いずれも1時間あたりの電気代は0.54〜0.954円程度と考えておけば良いでしょう。サーキュレーターの主な製品の消費電力については、以下の表を確認してみてください。
 
商品名(メーカー) 消費電力
サーキュレーターアイ DC JET ~24畳(アイリスオーヤマ) 25W
3DフルリモコンサーキュレーターSAK-340DC(TEKNOS) 22W
CIRCULATION FANAFC-960R(アピックスインターナショナル) 34W
参照元:サーキュレーターアイ DC JET ~24畳3DフルリモコンサーキュレーターSAK-340DCCIRCULATION FANAFC-960R
 
一方で、扇風機の主な製品の消費電力は以下の表のとおりです。
 
商品名(メーカー) 消費電力
リビング扇風機TF-30AL26(東芝ライフスタイル) 35W
Kamomefan +c lite(ドウシシャ) 18W
リビング扇HEF-DL300D(日立グローバルライフソリューションズ) 21W
参照元:リビング扇風機TF-30AL26Kamomefan +c liteリビング扇HEF-DL300D
 
いずれも製品によって多少異なるものの、サーキュレーターと扇風機を比較して消費電力が大きく違うことはありません。

【ケース別】サーキュレーターの効果的な使い方5選

【ケース別】サーキュレーターの効果的な使い方5選
 
サーキュレーターは日常の様々な場面で利用することで、生活の快適性を高められます。ただし、使用する目的に応じて適切な使い方をしないと効果を得られません。ここでは使用目的別にサーキュレーターの効果的な使い方を紹介します。

冷房の効果を高めたいとき

冷えた空気は下にたまる特徴があるため、サーキュレーターで空気を循環させることで部屋全体を短時間で冷やすことが可能となり、エアコンの冷房効果を高められます。
 
アイリス暮らし便利ナビのデータでは、エアコンのみの場合に比べてサーキュレーターを使用すると15分で室温に0.6度の差が出るとされています。[注1]
 
サーキュレーターの使用により冷房効果が高まれば、エアコンの設定温度を1度程度上げられ節電につながります。設定温度を1度上げた場合の節電効果は、経済産業省の省エネポータルサイトによれば、6月2日〜9月21日の約3.6か月で940円程度です。[注2]
 
サーキュレーターはエアコンの真下に、壁に背を向けて置くことがポイントです。上下左右の首振りはせずに、正面にまっすぐ向けて風を送ると空気が循環しやすくなります。
 
また、サーキュレーターは複数の部屋を冷やす際にも効果的です。他の部屋に向かって風を送れば、エアコンの冷気を届けられます。
 
[注1]https://www.irisplaza.co.jp/media/A13904790995
[注2]https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/airconditioning/index.html

暖房の効果を高めたいとき

暖気は上にたまる特徴があるためサーキュレーターは、部屋の天井付近に集まった暖気を部屋全体に循環させて暖房効果を高められます。空気を循環させないと部屋全体が温まるには時間がかかります。
 
暖房の設定温度を1度下げられた場合の節電効果は、経済産業省の省エネポータルサイトによれば10月28日〜4月14日の5か月半の使用で約1,650円です。[注2]
 
部屋の暖房効果を高める際はエアコンとは反対側にサーキュレーターを置き、斜め上に風を送ります。また、冷房の際と同様に他の部屋に向けて暖気を送ることも可能です。
 
 

加湿器の効果を高めたいとき

サーキュレーターを加湿器の隣に置いて斜め上に向けると、湿気を含んだ空気を部屋全体に行き渡らせ、加湿器の効果を高めることができます

洗濯物を乾かすとき

サーキュレーターの使用は洗濯物の乾燥に効果的です。サーキュレーターを干した洗濯物の近くに設置し、左右の首振り機能を使って満遍なく風を当てます。洗濯物の周りの湿った空気を拡散できるため、乾きが早くなります。
 
より効果を高めるには、部屋全体の湿度を下げるために除湿機を併用すると良いでしょう。除湿機がない場合は、部屋の窓を少し開けたり換気扇を使用したりしても効果的です。

換気するとき

部屋の換気を行う際にサーキュレーターを使用すると、空気の入れ替わりが早くなります。サーキュレーターの上下の首振り機能を使い、窓に向かって風を送ります。強い風で部屋の空気を早く外に出せるため、効率的な換気が可能です。サーキュレーターの設置場所は窓にできる限り近い床に置きましょう。

サーキュレーターを選ぶ際のポイント5選

サーキュレーターを選ぶ際のポイント5選
 
サーキュレーターには、さまざまな機能をもった製品があります。ご自身の使用目的に応じて、適切な機能を持った製品を選びましょう。ここではサーキュレーターを選ぶ際のポイントを紹介します。

扇風機機能の有無

サーキュレーターには扇風機機能が付いた製品があります。サーキュレーターの空気を攪拌させる機能と、扇風機のやさしい風を1台で兼ねられる製品です。1台でサーキュレーター・扇風機どちらの目的でも利用できます。
 
例えば暑い時期には扇風機として活用し、洗濯物が乾きにくい冬期間にはサーキュレーターとして使うなどの利用が可能です。
 
サーキュレーターは円形の卓上型の形状が一般的ですが、扇風機機能付きは首のあるスタンド型です。スタンド型であるため、扇風機として人に向けての使用にも適しています。

タイマー設定ができる

サーキュレーターには自動でスイッチを切れるタイマー機能が付いている製品があります。タイマー機能を利用すれば、つけっぱなしを防げるため電気代の節約になります。
 
製品によってタイマーで設定できる時間の長さが違うため、何時間のタイマー設定ができるのか確認しましょう。
 
洗濯物を乾かす目的で使用する場合や昼間の外出中や就寝中にサーキュレーターを利用したい場合は、長時間のタイマー設定ができる製品を選びましょう。

首振りの可動方向

上下左右の首振り機能が付いた製品を選ぶと良いでしょう。多くの製品では上下左右の首振りができますが「上下のみ」または「左右のみ」の首振り機能しか付いていない製品では、利用方法が限られてしまうためです。
 
先述の通り換気の際には上下の首振り機能を使うと、部屋の空気を満遍なく外に送り出せます。また洗濯物を乾かす際には、左右の首振り機能があると便利です。

静音性

就寝時にエアコンとの併用を検討している方は、静音性が高い製品を選ぶと良いでしょう。
サーキュレーターは扇風機に比べて、羽の動作音やカバーに風が当たる音が大きいためです。
 
ただし、静音性の高い製品は風力が弱くなる傾向にあります。静音性と風力のどちらを優先すべきか、購入前に検討することをおすすめします。

掃除のしやすさ

サーキュレーターを選ぶ際は、掃除のしやすさを確認しておきましょう。サーキュレーターは羽部分にほこりがたまりやすい形状になっています。定期的にカバーを外して、羽部分のほこりを取り除くなどの掃除が必要です。
 
なかにはカバーを外す際にネジを回すなどの手間が必要な製品があります。カバーをスライドさせるだけで外せる製品もあるため、掃除のしやすさを考慮して選ぶと良いでしょう。

サーキュレーターは部屋の空気を循環させたい時に使用しましょう

サーキュレーターは部屋の空気を循環させたい時に使用しましょう
サーキュレーターと扇風機は羽で風を送るという点で共通しているため、利用目的の違いがわかりにくいと言えます。
 
しかしサーキュレーターは強い風を遠くまで送れる製品であるため、壁や天井方向に向けて使用し、空気の循環を目的とした使用が推奨されます。
 
部屋の空気を循環させるだけで、体感温度は大きく変わります。エアコンは部屋の上部に暖気が、下部に冷気が固まってしまうため、効果を高めるためには空気の循環が欠かせません。
 
 
サーキュレーターを適切な目的で正しく使い、快適な生活を送りましょう。