花粉の時期が近づくと、多くの方が頭を悩ませる洗濯物。太陽の下で思いっきり乾かしたくても、花粉の付着が気になってしまいます。一方で、部屋干しすると生乾き臭が問題です。
 
そこで今回は、洗濯物の花粉対策について部屋干しの際に知っておきたい生乾き臭対策や、外で干す場合のポイントも紹介します。花粉が気になる方はぜひ参考にしてくださいね。

花粉時期の洗濯に欠かせない対策

花粉対策用柔軟剤 床掃除
 
 
花粉の時期、アレルギー症状で悩む方は洗濯物の取り扱いに注意が必要です。せっかく洗濯して清潔な状態を保っていても、花粉がついてしまった衣服は着られません。
 
花粉時期の洗濯に有効な対策をご紹介します。基本的には、いかに花粉を付着させないかがポイントです。

花粉対策用柔軟剤を使用する

花粉時期には、洗濯の仕上げに柔軟剤の使用をおすすめします。柔軟剤を使うことで静電気が抑えられ、花粉が付着しにくくなるためです。
 
静電気防止効果がある、花粉対策用の柔軟剤を選びましょう。

洗濯物が触れる床をよく拭いておく

室内で花粉が一番多い場所は床です。洗濯物を取り込む際やたたむ際に花粉が付着しないよう、床をあらかじめよく拭いておきましょう。
 
床の掃除は、ウェットタイプのフローリングシートがおすすめです。掃除機を使うと、軽くて細かい粒子がかえって舞い上がってしまうことがあります。窓を閉めてウェットシートで花粉を拭き取っておきましょう。また、カーペットやラグ、ソファに洗濯物を置く場合は、粘着シートを使うと花粉を素早く除去できます。
 

花粉対策で部屋干しをする際は生乾き臭対策がポイント

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花粉シーズンの洗濯物は部屋干しがおすすめです。しかし、部屋干しをすると不快な生乾き臭いが発生してしまうこともあります。生乾きの臭いは、実は洗濯物そのものの臭いではありません。
 
ここでは、生乾き臭の原因から対策まで詳しく解説します。外に干せない花粉時期に、部屋干しでも洗濯物を清潔に乾かすために、ぜひ参考にしてくださいね。

生乾き臭の原因

生乾き臭の原因は、衣類に残った雑菌の繁殖です。洗剤で衣類を洗浄しても完全に雑菌を落とすことはできません。少量の汗ジミや洗剤カスなどから雑菌が増えてしまいます。増殖した雑菌が排せつ物を出すことで、悪臭が発生するのです。
 
とくに部屋干しをする場合は、洗濯物が乾くまでの時間が長くなり、雑菌の繁殖が進みやすいため注意しましょう。

洗濯槽を清潔にする

生乾き臭を防ぐためには、洗濯槽を清潔に保つことが重要です。とくに、洗濯物の量が多すぎると、洗濯槽に汚れが残ってしまいます。
 
洗濯機の容量を超えて洗濯物を詰め込まないようにして、しっかりと汚れを洗い流せるようにしましょう。また、洗剤を入れすぎるとカビのエサとなる洗剤カスが洗濯槽に残ってしまうので、適量を使用するようにすることも大切です。。
 
洗濯完了後には、30分程度の乾燥モードにしておくとカビの発生を抑えられます。月に1回程度、洗濯槽を洗浄することも生乾き臭を防ぐうえでおすすめです。

専用の洗剤を使用する

生乾き臭対策には、部屋干し専用の洗剤がおすすめです。部屋干し専用の洗剤は、抗菌剤を配合しているものが多く、カビや雑菌の繁殖を抑える効果が期待できます。
 
ただし、部屋干し専用の洗剤を使う際は、洗濯する衣類の素材に注意しましょう。部屋干し専用の洗剤はほとんどが弱アルカリ性です。一般的な中性洗剤よりも洗浄力が高く、デリケートな素材には向いていません。生地が傷みやすいシルクやウール、色落ちしやすいデニムなどは避けましょう。

風が当たる干し方にする

洗濯物を早く乾かして雑菌の繁殖を防ぐことで、気になる生乾きの臭いを抑えられます。扇風機やサーキュレーターを使って、洗濯物に風を当てて乾かしましょう。
 
洗濯物の水分は上から下に流れるため、下の方に風を当てると、より早く水分を飛ばせます。また、洗濯物同士の間隔をあけて風を通すようにしたり、フードがついているものは口を広げて干したりするなど、できるだけ風通しをよくすることもポイントです。
 

エアコンと空気清浄機を使用

エアコンと空気清浄機を利用して洗濯物を乾かすと、生乾き臭を抑えられます。冷暖房として利用する際は乾燥が気になるエアコンですが、洗濯物を乾かすには役立つアイテムです。
 
また、空気清浄機によって、臭いの原因となる雑菌を減らすことができます。洗濯物を干しているそばに置いて使用しましょう。
 

花粉時期の外干しはタイミングが重要

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花粉時期の外干しは、タイミングが重要です。洗濯物を外干しする際の花粉対策をご紹介します。

天候をしっかりと確認する

花粉時期に洗濯物を外で干す際は、いつも以上に天候の確認が重要です。飛散する花粉の量は天候に左右されるため、できるだけ花粉が少ないタイミングで洗濯物を干しましょう。
 
花粉の飛散量は、雨が降った翌日に多くなります。雨で一度地面に落ちた花粉が、晴れて気温が上がると再び空中に巻き上げられるためです。また、乾燥して風が吹くと花粉が舞い上がるため、洗濯物に付着しやすくなります。
 
できるだけ洗濯物に花粉が付着しないよう、当日の天気はもちろん、前日の天気や風の強さ、湿度も気象情報で細かくチェックしましょう。

早朝から干して早めに取り込む

洗濯物を外干しする場合は、早朝に干して早めに取り込みましょう。花粉症の原因の1つであるスギ花粉は、午前10時ごろからお昼過ぎにかけて多く飛散します。花粉が飛散する前に洗濯物を取り込んでしまえば、影響をあまり受けません。
 
また、万が一洗濯物を取り込み忘れた場合でも、日没前には必ず取り込みましょう。日没後には、地面などに堆積した花粉が人の流れによって舞い上がり、2度目の飛散のピークをむかえることがあります。[注1]

洗濯物カバーも有効

外干しをする場合は、洗濯物カバーの利用も検討してみてください。洗濯物カバーは、目隠しや虫よけ、日焼け対策だけではなく、花粉対策にも有効です。
 
洗濯物カバーは、目隠し程度のシートタイプからテントタイプまで、さまざまな種類があります。花粉対策として洗濯物カバーを使う場合には、洗濯物全体をすっぽりと覆うタイプを選びましょう。

花粉をしっかりと払って取り込む

外干しした洗濯物を取り込む際は、花粉をしっかりと手で払いましょう。原始的な方法ですが、このひと手間だけで室内に持ち込む花粉の4〜6割を落とせます。[注2]
 
また、洗濯物は一枚ずつていねいに軽く払うことが大切です。衣類をまとめて手で払うと、払い落とされた花粉が別の衣類に付着するおそれがあります。なお、手で洗濯物を払う際は、花粉を自分で吸い込んでしまわないようマスクをしておくと安心です。
 
洗濯物を取り込んだ後のベランダには、花粉が残っています。花粉が舞い上がらないようホウキは使わず、ぬれた雑巾などで拭き取っておきましょう。

洗濯物に花粉をなるべく付着させないことが重要

洗濯物に花粉を付着させない
 
 
花粉時期に洗濯物を干す際にもっとも有効な方法は、閉め切った部屋に干すことです。ただし、部屋干しする際は、十分に乾燥をさせないと生乾き臭が発生してしまいます。洗濯物に付着した雑菌が繁殖しないように気をつけて干しましょう。
 
一方で、洗濯物は日光にしっかりと当てて乾かしたいもの。花粉が付着しないように注意すれば、外干しもできます。洗濯物を干す時間や、取り込む際に花粉をていねいに払うなど、万全の対策をとって外干しをしましょう。毎日の洗濯方法を工夫して、なるべく花粉がつかないよう心がけたいものですね。
 
 
 
[注1]花粉症環境保健マニュアル(P26)ダーラム法
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/2022_full.pdf
 
[注2]ウェザーニュース
https://weathernews.jp/s/topics/202103/020215/