オール電化で電気代が高い3つの原因! 平均額や5つの節約方法を解説

オール電化で電気代が高い3つの原因! 平均額や5つの節約方法を解説
オール電化は、家で使うエネルギーを電気のみでまかなう仕組みです。ガスと併用するよりも光熱費が抑えられるなどの理由から普及しています。
 
しかし一方で「オール電化の電気代が高すぎる」と感じている方もいるのではないでしょうか。電気代が高くなる原因には、電気の単価の高騰のほか、料金プランやエコキュートの使用方法などが関係しています。
 
そこでこの記事では、オール電化の電気代が高い理由や節約方法について解説します。ぜひ参考にしてください。

オール電化が推奨されてきた3つの理由

オール電化が推奨されてきた3つの理由
 
オール電化は、2000年ごろから全国で普及しはじめた設備です。こちらでは「なぜオール電化が推奨されてきたのか」を3つの理由から解説します。

給湯や暖房のコストを抑えられる

オール電化が推奨されてきた大きな理由は、給湯や暖房のコストを抑えられる点です。※エコキュート(※)などオール電化の給湯機は、夜間に沸かしたお湯を貯湯ユニットに貯めて日中も利用する仕組みです。また蓄熱暖房器を使えば、深夜に加熱して蓄えた熱を一日中利用できます。
 
オール電化向けの電力料金プランは、深夜電力の単価が日中の1/2~1/3程度と安く設定されています。日中に使う分のお湯も安価な深夜電力でカバーできるため、ガスを使うよりも経済的です。
 
このようにオール電化は、独自の料金プランや専用の機器によって光熱費全体の削減が可能になっています。
 
※エコキュートは関西電力株式会社の登録商標です

光熱費の基本料金を一本化できる

オール電化は、光熱費の基本料金を一本化できることもメリットです。ガスと電気を併用すると、両方の基本料金がかかります。しかしオール電化ではガスの基本料金が不要になるため、その分光熱費を抑えることが可能です。
 
基本料金を一本化することで毎月の固定費用を減らし、家庭の経済負担を軽減する効果が期待できます。

安全性が高い

オール電化はガスを使わないため、安全性が高いことも魅力です。電気には、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクがありません。
 
さらにIHクッキングヒーターを使用するため、火を使わないで料理ができるのも安心です。プレートが熱を持つことに注意が必要であるものの、炎が発生しないため小さな子どもがいる家庭でも安心して使えます。このように安全性の高さからも、オール電化は多くの家庭で推奨されてきました。

オール電化の電気代の平均額

オール電化の電気代の平均額
オール電化の家では、実際にどの程度の電気代がかかっているのでしょうか。以下のデータは、関西電力が算出した「オール電化住宅の電気代」と「一般住宅の光熱費」の月額の平均値です。
 
  • 1人暮らし:10,777円(一般住宅の光熱費合計9,134円)
  • 2人暮らし:13,406円(一般住宅の光熱費合計14,824円)
  • 3人暮らし:14,835円(一般住宅の光熱費合計16,754円)
  • 4人暮らし以上:16,533円(一般住宅の光熱費合計17,617円)
 
こちらのデータからはオール電化住宅の電気代は、一般住宅の光熱費に比べて1人から4人暮らし以上まで、月額1,000〜2,000円程度安くなっていることがわかります。
 
なお関西電力のデータは「オール電化プランの会員のデータ」及び「総務省統計局「家計調査 家計収支編 2021年 世帯人員・世帯主の年齢階級別」を参考に算出されています。

オール電化で電気代が高い3つの原因

オール電化で電気代が高い3つの原因
 
オール電化を利用している家庭では、なぜ最近電気代が高いと感じるようになってしまったのでしょうか。こちらでは電気代が高い原因を、3つのポイントから説明します。

電気代の高騰

電気代の高騰は、オール電化の家庭の電気代が高くなる主要な原因です。東京電力が発表している「平均モデルの電気料金」によれば、2016年9月には電気代が6,076円だったのに対し、2022年8月には9,118円まで上昇しました。
 
2022年8月からは横ばいとなり2023年2月では7,306円に下がっていますが、それは政府の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により値引きが適用されているためです。
 
電気代の高騰は、多くの原子力発電所が停止していることによる電力不足が原因です。また「ウクライナ情勢」や「円安による燃料輸入価格の高騰」といった国外情勢も大きく影響しています。電気代はこのような複数の要因により高騰し、オール電化の家庭にも大きな影響を与えています。

ライフスタイルと料金プランが合っていない

オール電化の料金プランは、深夜は安く日中は高くなる仕組みです。そのため昼間の電気使用量が多いライフスタイルの場合、電気代が高くなる可能性があります。
 
例えば、東京電力の「スマートライフS」というプランでは、2024年1月の料金では1kWhあたり深夜(午前1~6時)は27.86円、日中は35.76円です。以下のシミュレーションは、1か月の電気使用量を300kWh、日中と深夜の利用割合を「3:7」と「7:3」にした場合の料金です。
 
  • 電気使用量の割合(日中30%、深夜70%):9,068円
  • 電気使用量の割合(日中70%、深夜30%):10,016円
 
日中の電気使用量が70%の場合には、30%に比べて約1,000円程度高くなっています。オール電化向けプランは深夜の使用量が多いことを想定して組まれているため、日中の利用が多いライフスタイルの場合には料金が高くなる可能性があります。

旧式の機器を使っている

旧式の機器の利用は、電気代が高くなる原因です。例えば、1990年代に普及した「電気温水器」や「蓄熱暖房機」は現在の最新機器に比べて消費電力が多くなります。
 
一方ヒートポンプの付いたエコキュートは、電気温水器に比べて給湯代が約75%抑えられると言われています。また最新の蓄熱暖房機やエアコンは、旧式に比べて消費電力を大きく抑えられる機器です。古い機器を使い続けることは電気代が高くなる原因となるため、気になる方は買い替えを検討しましょう。

オール電化で冬の電気代が高くなる理由

オール電化で冬の電気代が高くなる理由
オール電化の家庭では、冬場の電気代が特に高くなることがあります。
 
原因の1つは、冬場に「エコキュート」の効率が悪くなることです。エコキュートは、外気から取り込んだ空気の熱を電気エネルギーで圧縮して水を温めるシステムです。しかし冬場は外気温が低く水も冷たいので、お湯を作るのに多くの電力を消費します。
 
また冬場はお湯を使う機会が増えるため、オール電化の家庭では電気代が急激に上がります。これまでガス給湯器を使っていた方にとっては、光熱費が大きく上がるように感じるでしょう。
 
さらに暖房器具は、冷房に比べて消費電力が大きいため、冬場の電気代を押し上げる要因となります。このように冬場は電力消費が増える要因が多く、オール電化の家では電気代が高くなりやすいと言えます。

オール電化で電気代を節約する5つの方法

オール電化で電気代を節約する5つの方法
電気代の高騰は、自身の工夫では対応できない原因があるのは事実です。しかし、機器の使用方法を工夫するなど自助努力での節約も可能です。こちらでは、オール電化住宅で電気代を節約する方法を5つ紹介します。

最新の機器に買い替える

オール電化の家では、最新の省エネ機器に買い替えることで電気代を大幅に減らせます。例えば、古い電気温水器を最新のエコキュートに替えると、給湯代を約75%抑えられると言われています。さらにエアコンも省エネ性能が高い最新機種にすることで、冷暖房費を削減できるでしょう。
 
最新機器の買い替えにはまとまった費用が必要となりますが、国の補助金が利用できる場合や自治体によっては省エネ機器の買い替えに対して補助金を出している場合もあります。例えば自身の住んでいる自治体に、省エネ機器への買い替え補助の制度があるか調べてみましょう。
 
▽エコキュートの相談は▽
近鉄のリフォーム ニューイング

電力会社・料金プランを見直す

電力会社や料金プランを見直すことも、節約に有効な方法です。電力自由化により、多くの事業者が電気事業に参入しています。電気代が高いと感じた場合は、他の電力会社やプランと比較検討してみましょう。
 
インターネット上では、電力会社を横断して電気代をシミュレーションできるサービスもあります。自分に最適な電力プランを見つけることで、電気代を節約できる可能性があります。

エコキュートの運転モードを最適化する

エコキュートの運転モードを最適化することで、電気代を節約できます。例えば「省エネモード」は沸かすお湯の量を減らすことで、電気代を抑えられる方法です。
 
ただし「省エネモード」にしていたことでお湯が足りなくなってしまったときは、電気代の高い日中に沸き増しが必要です。お湯を多く使う冬場であれば、日中に沸き増しをするよりも、通常モードで夜間に多めに沸かしておいた方が節約になる場合があります。
 
また「ピークカット機能」では、電気の単価が高い時間帯のヒートポンプの稼働を停止できるため節約効果は大きくなります。メーカーごとに異なる省エネ設定があるので、自分のエコキュートの機能をよく確認して、最適な設定を見つけましょう。

お風呂のお湯張り・追い焚きを工夫する

前日にお風呂に張ったお湯を追い焚きするよりも、エコキュートで日中に沸かした水をお湯張りに使う方が電力消費を減らせます。また入浴間隔が空く場合は、自動保温機能を停止し「高温足し湯(高温差し湯)」にする方が省エネになります。
 
お風呂はお湯が大量に必要になるため、効率良くお湯を使うことで電力消費を抑えられるでしょう。

太陽光パネル・蓄電池を導入する

太陽光パネルや蓄電池の導入は、オール電化の電気代の削減に効果的な方法です。昼間に太陽光パネルで発電した電気を蓄電池に蓄えて夜間に使用することで、電力会社から購入する電力を減らせます。
 
さらに余った電力を電力会社に販売することで、電気代の一部を補うことも可能です。このように再生可能エネルギーを活用することで、環境にも経済にも優しい生活が実現できます。
 
 
 

オール電化で電気代が高い場合は、料金プランや使用している機器をチェックしてみましょう

オール電化で電気代が高い場合は、料金プランや使用している機器をチェックしてみましょう
オール電化の電気代が高いと感じている方は、まず料金プランや使用している機器をチェックしてみましょう。自分のライフスタイルに合った料金プランに変更したり、古い機器を最新の省エネ機器に買い替えたりすることで、大幅に電気代を削減できることがあります。
 
またエコキュート(※)や日々の家電の使い方を見直し、省エネを意識した生活を心がけることも大切です。オール電化のメリットを最大限に活かし、効率的に光熱費を節約しましょう。

※エコキュートは関西電力の登録商標です。