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スマートメーターとは、内部に通信機能を搭載した次世代の電力メーターです。スマートメーターによって、普段の電気の使い方を再確認し、省エネ対策により積極的に取り組めるようになります。
スマートメーターのメリットを最大限活かすには、HEMSとの連携も重要です。スマートメーターの基本的な機能やメリット、次世代エネルギー管理システムのHEMSについて解説します。まだスマートメーターに切り替えていない住宅に優先して設置してもらえる条件も紹介しているので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
電力会社による切り替えがすすむスマートメーター
大手電力会社によって順次切り替えが進められているスマートメーター。2021年3月時点ですでに、全国約85%の世帯にスマートメーターが設置されています。[注1]
切り替えのすすむスマートメーターとは一体どんなものなのか、基本的な見方も含めて詳しくご紹介します。また、自宅のメーターがすでにスマートメーターに切り替わっているかどうかの確認方法も見ていきましょう。
スマートメーターとは?
スマートメーターとは、電気使用量を計測する従来のアナログ式電力メーターが進化した、通信機能付きのデジタル電力メーターのことです。内部に通信機能が搭載されており、電気の使用データを直接電力会社へ送れます。データ通信化されたことで、検針や電気の容量変更など、今まで作業員が訪問しておこなっていたさまざまな作業が不要となりました。
スマートメーターは、30分ごとに電気の使用量がわかるようになっています。アナログ式のメーターで確認できるのは、月ごとの電気使用量のみで、しかも検針後にしか確認できませんでした。スマートメーターでは、インターネットを通じてパソコンやスマートフォンアプリで電気使用量を確認できるほか、 HEMSなどの機器と連携させることで、機器ごとの使用量といった細かい情報も確認できます。
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スマートメーターの見方
スマートメーターでは電力量がデジタル表示されているため、従来のアナログ式電力メーターと比べると非常に見やすくなっています。数値の単位はkWhで、アナログメーターの単位と変わりません。また、スマートメーターには2つの電力量が表示されます。1つは電気使用量で、もう1つは太陽光発電などで発電した余剰電力の売電量です。液晶表示の右側に矢印表示のあるものが売電量で、電気使用量と表示が自動で切り替わります。
スマートフォンなどと連携していなくても、スマートメーターのみで月の電気使用量を簡単に把握することも可能です。矢印が表示されていないほうの数字から、前回検針時の数値を引き算するだけでわかります。
自宅がスマートメーターかどうか確認する方法
スマートメーターの設置場所は、従来の電力メーターと変わりません。メーカーによりデザインは多少異なりますが、スマートメーターのほうが旧式のものよりスッキリとした外観で、数字がデジタル表示のためすぐにわかります。マンションなどの集合住宅では、とくに通知なく電力会社側で交換しているケースもあるので、一度自宅の電力計を確認してみましょう。
スマートメーターに切り替えてもらう方法
スマートメーターへの切り替えは、電力会社によって順次進められています。基本的には、電力会社からの交換作業の通知(※)を待つ形となり、特別な手続きや費用は発生しません。ただし、電力会社からの連絡がくる前に優先して交換してもらえることもあるので、必要に応じて条件を確認しましょう。優先して交換してもらえるケースは、家を新築した際や、メーターの有効期限が切れている場合です。また、電力会社を乗り換えた際にも優先的に切り替えてもらえます。ほとんどの場合、交換作業の立会いは不要で、停電することも原則ありません。
※通知がない場合もあります。
スマートメーターのメリット
スマートメーターは、私たち消費者と電力会社の双方にメリットのある便利な設備です。
すでに導入済みの方も、スマートメーターのさまざまな機能について改めて確認してみてくださいね。
電気の使用量がスマホやパソコンで確認できる
スマートメーターの大きなメリットは、使用電力量をスマートフォンやパソコンで簡単に確認できることです。従来は、過去の電気使用量を細かく把握するために、毎月の明細を自分で管理する必要がありました。しかし、スマートメーターでは、電力会社のサーバーで使用量が管理されるため、スマートフォンやパソコンに接続するだけで細かい使用量を把握できます。
ブレーカーが自動復旧される
スマートメーターにはブレーカー機能が付いています。ブレーカー機能とは、契約電流以上の電気が流れてブレーカーが落ちた際に自動復旧する機能です。従来は、ブレーカーが落ちた際の復旧作業は、分電盤での手動操作が必要でした。スマートメーターであれば、約10秒後には自動的に復旧して電気が使えるようになるので便利です。夜間に暗闇のなかでブレーカーを探す手間もありません。
ただし、短時間のうちに何度もブレーカーが落ちた場合、事故防止のため自動復旧がおこなわれなくなります。復旧のためには電力会社へ連絡する手間がかかるので、注意しましょう。
検針員がこなくなる
スマートメーターに切り替えると、電力計を検針する必要がなくなります。とくに一戸建ての住宅で、無言のまま敷地内に入ってくる検針員に抵抗があった方でも安心です。また、発生するケースは稀ですが、検針ミスのリスクもなくなります。毎月の電気使用量はデータ通信によって電力会社に送られるため、見間違いや計算ミスが起こりません。
デメリットはほぼない
従来のアナログ式電力メーターと比べて、スマートメーターには、とくにデメリットはありません。気になる設置費用も無料で、切り替え工事は電力会社の負担でおこなわれます。電力会社がリアルタイムに電気使用量を把握することに対する不安の声も一部にありますが、以前から電力会社は月間の電気使用量を把握しているため、あまり変わらないでしょう。従来は検針スタッフが敷地内に無断で入ってきていたことを考えると、プライバシーはむしろ守られます。
スマートメーターは省エネにつながる
スマートメーターには節電の意識を高める効果があります。また、次世代エネルギー管理システムといわれる“HEMS”と連携できる点もスマートメーターの魅力です。
スマートメーターと省エネについて、HEMS導入のメリットも含めて詳しく解説します。
見える化によって節電意識が高まる
スマートメーターの導入によって電気使用量の見える化が実現すると、従来わかりにくかった節電効果を把握でき、節電意識が高まります。また、具体的な節電対策を立てやすくなることも、スマートメーターが省エネにつながるポイントです。節電を意識していても、実際の電力消費量を把握できないと、具体的になにをすべきかわかりません。電気の使用状況を日別や時間帯別で確認できれば、節電に取り組みやすくなるでしょう。
HEMSを導入することで細かい自動制御が可能
スマートメーターは、HEMSと連携することでメリットを最大限に活かせます。HEMSとは、家庭で使うエネルギーを可視化できる管理システムです。スマートメーターのデータをHEMSで管理することによって、使用する電力量を部屋ごとや機器ごとに細かく把握できるようになります。また、対応機器を使用すれば自動制御も可能です。たとえば、電力消費量が多くなった場合、エアコンの温度設定や風量を自動で変更できます。
電気の使用量がひと目でわかるスマートメーター
スマートメーターは、電気の使用量をデータ通信によって電力会社に送ることのできる電力メーターです。メーター単体としても、数値の読み取りやすさやブレーカーの自動復旧といったメリットがあり、全国的に普及が進んでいます。しかし、最大のメリットは電気使用量を見える化出来る点や、次世代エネルギー管理システム“HEMS”との連携による細かな電力管理が可能な点です。スマートメーターは、今後省エネ対策をおこなううえで欠かせない存在といえるでしょう。普段はあまり目にしない電力メーターですが、節電も含め、改めて機能を見直してみてくださいね。
[注1]経済産業省電力データ活用による新たな付加価値創造(P1)
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/econrev/210917/210917keizaikasseika_02.pdf