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エネルギー利用効率の高いエネファームですが、残念ながら寿命があります。エネファームの発電設備としての寿命は最長20年です。しかし、実はエネファームを交換するベストタイミングは、製品寿命の20年ではありません。
エネファームはどのタイミングで交換すべきか、メンテナンスにどれくらいの費用が必要になるのかを詳しく解説します。また、寿命がきても使用し続ける方法や、エネファームのメリットもまとめましたので、参考にしてください。
エネファームの寿命(耐用年数)
エネファームには寿命があり、耐用年数が限られています。定期的なメンテナンスをしていても、使用できる期間を過ぎれば交換が必要となるので注意が必要です。
なぜ寿命があるのか、エネファームの仕組みから解説します。また、寿命を迎えたあとの利用方法についてもご紹介します。エネファームの寿命が気になる方は参考にしてください。
エネファームの仕組みから寿命を考える
エネファームは、ガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて、電気と熱を作り出す家庭用燃料電池です。発電と給湯をおこなうため、「燃料電池」と「貯湯タンク」の2つのユニットで構成されています。寿命に関係してくるのは、おもに燃料電池ユニットです。燃料電池ユニットは、安全性の観点から定期的なメンテナンスが必要なうえ、使用可能期間も定められています。また、燃料電池ユニット内には、ガスから発電に必要な水素を取り出すための燃料改質装置や、発電した直流電気を交流電気へ変換させるインバータといった、故障すると事故につながる精密機器があります。
燃料電池ユニットのメンテナンスのタイミングや使用可能期間が事実上、エネファームの寿命となります。
エネファームの発電は最長20年で停止する
経年劣化による事故を防ぐため、エネファームは通電開始から20年が経過すると、燃料電池ユニットが動作を停止します。なお、メーカーによっては13年で停止する機種もあります。定期的なメンテナンスをおこなっていても、燃料電池ユニットの使用期限は変わらない点に注意が必要です。
発電が停止しても使い続けることは可能
エネファームの燃料電池ユニットが寿命を迎えて停止しても、通常のガス給湯器としての機能は利用し続けられます。エネファームを再度購入する費用がない場合も、本体は無駄になりません。20年後には家族構成や使用する電力量が変わっている可能性や、新たな省エネ技術が開発されている可能性もあります。発電が停止しても給湯器として使用できるのは大きなメリットです。
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いてもご紹介
エネファームは寿命がきていなくてもメンテナンスが必要になる
エネファームの寿命といわれる、発電ができなくなるまでの期間は最長20年です。しかし、20年を迎える前にも定期的な点検やメンテナンスが必要となります。メンテナンスをおこなわないと、発電が停止することもあるので注意しましょう。
エネファームの点検やメンテナンスのタイミングは、メーカーによって異なる場合もあるので、最終的には必ずメーカーや利用するガス会社にお問い合わせください。
メーカーの保証期間となる10年
エネファームのメーカー保証期間は一般的に10年です。最初の10年の間に大掛かりな点検は不要ですが、メーカーはおよそ5年ごとのフィルター交換といった定期メンテナンスを推奨しています。[注1]保証期間の10年を過ぎると修理や部品交換などが有償になり、点検費用もかかりますが、安全性に関わるため不具合を感じたら必ず点検・修理をおこないましょう。
燃料電池ユニットの警告文が出たタイミング
エネファームの使用開始から12年前後で、燃料電池ユニットに総点検実施の警告が出ます。警告が出るタイミングは発電量により前後しますが、約28,800kWhが目安です。[注2]警告が出ても総点検をおこなわなかった場合、故障予防のため燃料電池ユニットが自動停止してしまいます。表示を確認したら早めに総点検を依頼しましょう。
エネファームは寿命の前に交換するのがおすすめ
エネファームは必要なメンテナンスをおこなえば、発電設備として最長20年間使用できます。しかし、10年の保証期間を過ぎると、メンテナンス費用が自己負担となってしまう点には注意が必要です。
寿命のあるエネファームをいつ交換すべきかという点を詳しく解説します。ただし、使用状況や予算によっても変わってくるため、交換の判断は慎重におこなってください。
エネファームの交換費用相場
エネファームを交換する場合は、新しい機器と交換作業にかかる費用が必要です。交換費用の目安は合計100万〜150万円程度になります。ただし、エネファーム自体が2009年に登場したばかりのため、交換事例はまだあまり多くありません。既設の基礎や配管などはそのまま使えることも考えられますが、古いエネファームの引き取り費用が高くなる可能性もあります。交換を検討する際は、予算に余裕をもっておきましょう。
燃料電池ユニットの総点検タイミング
エネファームの交換を検討するのであれば、燃料電池ユニット総点検のタイミングがおすすめです。総点検は発電量にもよりますが、設置から12年前後のタイミングで必要となります。総点検の費用は、点検だけでも10万円程度、部品交換も必要な場合には30万円程度と高額です。しかも、総点検をおこなったとしても最終的には20年で使用できなくなってしまいます。さらに、20年の期限までに1〜2回ある定期点検の費用も10万円程度必要です。
寿命に限りある古い設備に高額な点検費を払うよりも、総点検のタイミングで新しい機種に買い換えるのも賢明な選択といえます。
光熱費節約以外のエネファームのメリット
エネファームのメリットは、発電による電気代の節約だけではありません。災害時の対策や導入費用、ガス料金の優遇などさまざまなメリットがあります。エネファームの導入を検討する際は、単純な光熱費節約だけで判断するのではなく、メリット全体で費用対効果を考えましょう。
エネファームの設置によって得られる、光熱費節約以外のメリットをご紹介します。エネファーム導入を検討する際の参考にしてください。
災害による停電や断水に対する備え
自立運転機能付きのエネファームは、災害時の備えとして有効な設備です。自然災害などにより停電が起こっても、ガスと水道の供給が可能であれば自動で自立運転に切り替わり、電気を使い続けられます。メーカーや機種、使用状況によっても発電時間は異なりますが、停電前の発電開始から最長8日間は使用可能です。[注3]また、断水時に貯湯タンクのお湯を生活用水として利用できる点もエネファームのメリットです。
導入に補助金が出る自治体もある
一般的なガス給湯器を設置する場合は、全額自己負担となってしまいます。一方、自治体が省エネ設備としてエネファームの設置を推奨している場合は、補助金制度が用意されていることも少なくありません。エネファーム単体の導入に対する国の補助金制度は終了していますが、自治体では継続しているところもあります。地域によって補助金額の上限や条件が異なりますので、お住まいの自治体のホームページなどで確認してみましょう。
また、エネファーム単体ではなく、省エネ性能の高い「ZEH住宅」として導入すれば、国が実施しているZEH住宅向けの補助金制度を利用できます。
さらに、導入時だけではなく、運用時にも費用面のメリットを受けられる可能性があります。ガス会社によっては、エネファーム導入世帯用の優遇料金プランを用意しているため、導入前には必ず確認しましょう。
※補助金制度は2022年11月執筆現在
【関連記事】ZEH(ゼッチ)住宅とは? メリット・デメリットや補助金制度について詳しく説明!
エネルギー効率が高いので環境にやさしい
エネファームは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の発生を抑え、電気を作りだせるため、環境にやさしい設備です。また、発電時に発生する熱を利用してお湯を沸かすため、エネルギーを余すことなく効率よく利用できます。ガスを利用して電気を作り、さらに発電過程のエネルギーも無駄にしないエネファームは、環境問題対策としてふさわしい発電給湯設備です。
寿命はあってもメリットの大きいエネファーム
エネファームには残念ながら寿命があり、高額な設置費用やメンテナンス費用をかけても永久に使用できるわけではありません。しかし、災害時の対応や、ガス料金の優遇、自治体によっては導入費用の補助金などエネファームには多くのメリットがあります。寿命だけではなく、得られるメリットや利用状況もふまえて、エネファームの設置を判断することが重要です。費用がかさむ総点検のタイミングでの交換や、給湯器としての継続使用も視野にいれつつ、環境にやさしいエネファームの導入をぜひ検討してみてくださいね。
[注1]大阪ガス取扱説明書(P15)https://home.osakagas.co.jp/support/manual/__icsFiles/afieldfile/2016/05/20/136-cf06.pdf
[注2]パナソニック取扱説明書(P84)
https://www.keiyogas.co.jp/product/enefarm/pdf/resilience_panasonic_FC-70GR13K.pdf
[注3]パナソニック
https://panasonic.biz/appliance/FC/lineup/house01.html
※「エネファーム」は東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、ENEOS株式会社の登録商標です。