「キッチンの型が古く使い勝手に不便を感じる」「古くなったキッチンでのトラブルが多く、そろそろ交換したい」などキッチンに不満を感じ、リフォームを検討している方は多いでしょう。
 
キッチンの耐用年数は設備ごとに異なりますが、およそ10〜20年であると言われています。耐用年数が過ぎていても、使用するうえで特に問題がない場合はそのまま使用できますが、故障した際には、部品の生産が終了していて修理ができないこともあります。
 
もし現在使っているキッチンに、不満やトラブルがある場合には、思い切ってリフォームをしてみてはいかがでしょうか。
 
今回は、キッチンをリフォームする際の手順や費用、工事期間などを紹介します。リフォーム事例や注意点も併せて確認して、具体的なリフォームの様子をイメージしておきましょう。

キッチンリフォームの手順

キッチンリフォームの手順
どのような手順でリフォームが進んでいくのかを理解しておくことで、リフォーム会社との話し合いがスムーズになるほか、リフォーム中のトラブル回避にもつながります。
 
リフォーム後に後悔しないためにも、正しい手順を把握し、理想的なキッチンづくりを行いましょう。

STEP① キッチンの不満点を洗い出す

まずは、今使っているキッチンの不満を洗い出します。「設備が古い」「収納が少ない」「もっと家族とコミュニケーションを取りながら料理したい」など、各家庭で不満に感じている部分はさまざまあるでしょう。
 
キッチンに感じる具体的な不満や問題点を洗い出すことで、求める機能や重視したいポイントを見つけやすくなります。
 
理想のキッチンがイメージしにくい場合は、施工事例を参考にして、自分がどのようなキッチンを求めているのかを探してみるのもおすすめです。

STEP② キッチンの間取り・タイプを決める

次はキッチンの間取りやタイプを選びましょう。
 
キッチンの間取りやタイプは、調理の効率や部屋の雰囲気、さらには家族とのコミュニケーションの取りやすさなど、多くの点で影響を与えます。
 
こちらでは、代表的なキッチンの間取りとタイプについて紹介します。

【間取り①】独立型キッチン

独立型キッチン
近鉄のリフォーム「NEWing」|独立型

独立型キッチンは、他の部屋と分かれており、1つのスペースとして独立しているのが特徴です。独立型キッチンには次のようなメリットがあります。
 
・調理に集中できる
・リビングやその他の部屋に匂いや油、煙が広がりにくい
・来客があっても、洗い物やストックしている食料が見られにくい
 
一方で、家族とコミュニケーションが取りにくいことや、食事の配膳に多少の手間がかかることがデメリットです。

【間取り②】DK(ダイニングキッチン)

DK(ダイニングキッチン)
近鉄のリフォーム「NEWing」|キッチンリフォーム事例集
 
ダイニングキッチンは、キッチンと食事をするスペースが一緒になっているものを指し、次のようなメリットがあります。
 
・食事の配膳がしやすい
・リビングとは別のコミュニティスペースになる
・リビングに匂いや油、煙が広がりにくい
 
一方デメリットには、食事以外では使う機会が少ない点や、リビングにいる家族とのコミュニケーションが取りにくい点が挙げられます。

【間取り③】LDK(リビング・ダイニング・キッチン)

LDK(リビング・ダイニング・キッチン)
近鉄のリフォーム「NEWing」|壁付キッチンリフォーム事例集
 
リビングダイニングキッチンは、ダイニングキッチンにリビングも加わった間取りが特徴です。リビングダイニングキッチンには次のようなメリットがあります。
 
・家族とコミュニケーションを取りやすい
・小さい子どもから目を離さず調理できる
・リビングとダイニング、キッチンが1つのスペースにあるため、開放的で広々とした空間がつくれる
 
デメリットとしては、リビングからキッチンが丸見えになる点や、調理時の匂いや煙がリビングへ広がりやすい点が挙げられます。
 
続いてキッチンのタイプについて見ていきましょう。
 

【タイプ①】I型

【タイプ①】I型
近鉄のリフォーム「NEWing」|I型
 
I型は壁に沿って調理コンロやシンクが並びます。一直線でシンプルな作業動線が特徴です。I型キッチンには広いスペースが必要なく他のタイプよりリーズナブルに設置できるというメリットがあります。ただ、来客時にキッチンの中身が見えやすくなるので注意が必要です。

【タイプ②】L型

【タイプ②】L型
近鉄のリフォーム「NEWing」|L型
 
L型はコンロや作業台、シンクがL字に配置されたキッチンです。I型に比べて作業スペースが広くなるため、よりスムーズに調理できます。L型キッチンには家族とコミュニケーションを取りながら作業できる、作業動線が短くなるといったメリットがありますが広いスペースが必要になります。
 

【タイプ③】対面型

【タイプ③】対面型
近鉄のリフォーム「NEWing」|対面型
 
対面型はオープンキッチンとも呼ばれ、調理スペースがリビングやダイニング側に向いているのが特徴です。
 
キッチンの正面が開放的で、部屋を見渡しながら調理できます。対面型のなかでも開放的なキッチンとして、部屋の中で島のように独立しているアイランドキッチンがあります。対面型キッチンはリビングが見えやすく家族とコミュニケーションが取りやすいです。さらにキッチン内で動きやすいというメリットもありますが、油や水がはねた際に床が汚れやすくなることも多くあります。
 

【タイプ④】セパレート型

【タイプ④】セパレート型
近鉄のリフォーム「NEWing」|セパレート型

 
セパレート型は、コンロとシンクが離れた場所に配置されたタイプです。
 
I型と比べ、平行移動しなくてもよいため、作業動線が短くなります。また、作業台としてのスペースが2つあるため、複数人でも調理しやすいでしょう。セパレート型キッチンでは収納スペースを多く取れる上に、調理スペースとして広く使えます。しかしコンロとシンクの間で食器移動の際に水がたれることがあるので注意が必要です。

STEP③ サイズや設備のレイアウトを決める

間取りとタイプを選んだら、キッチンのサイズやレイアウト、必要な設備を決めます。設備の大きさや高さ、必要な収納の量はどれくらいかを考えてみましょう。
 
調理する人にとって使いやすい収納の高さは、首の中心を基準として約75cmの範囲とされています。
 
また、使いやすいカウンターの高さは、身長(cm)÷2+5cmが目安です。
 
必要な収納量は4人家族の場合幅が180cm、高さが50cmほどあるといいでしょう。
 
キッチンでの作業動線を考える際は、調理機器(コンロ)・冷蔵庫・シンクの3点をポイントにします。この3点を線で結んだ時に、それぞれの位置が2〜3歩の距離であると、ムダな動きが少なくなり、快適に調理できます。

STEP④ リフォーム会社に相談

リフォーム会社に相談

理想のキッチンや、生活に適した間取りがイメージできたら、リフォーム会社に相談してみましょう。建築士やインテリアコーディネーターなどの資格を持つスタッフがいれば、プランの提案からアフターフォローまで安心して任せられるでしょう。
 
相談の流れは以下のとおりです。(近鉄のリフォーム「NEWing」より)
1.ご相談
専任のスタッフがキッチンの不満点や要望をお聞きし、お客様と一緒に理想のリフォームについて考えます。
2.現地調査
リフォームを希望される場所にスタッフが伺い、内容の確認や採寸、写真撮影などを行います。
3.プランのご提案
図面やイラストを使って、お客様のご要望に合う具体的なプランの提案を行います。打ち合わせを重ね、不明点や疑問を解決していきます。
4.ご契約
打ち合わせしたプラン内容・見積り・スケジュールなどを検討していただき、納得できたらご契約です。
5.着工
着工前確認書や作業報告書などのチェック機能を設け、管理された体制の下、工事を開始します。
6.竣工(しゅんこう)・検査・仕上がり確認
竣工検査を経て、お客様に仕上がりを確認していただきます。手直しや追加工事の希望があればご相談ください。
7.お引き渡し
竣工検査・お客様による仕上がり確認が完了すれば、お引き渡しとなります。
 
リフォームに関して疑問や不安な点があれば、知識や技術を持つスタッフに相談してみましょう。担当者としっかりコミュニケーションを取ることが、安心して理想のキッチンをつくるためには重要です。

キッチンリフォーム事例

こちらではキッチンリフォームの事例を画像で紹介します。
 
実際の施工例を見れば、リフォームのイメージがわきやすくなります。

事例① こだわりのカウンターキッチン

こだわりのカウンターキッチン
こだわりのカウンターキッチン
タカラスタンダードのぴったりサイズ木製システムキッチン『グレーシア(GRACIA)』 I型タイプです。
キッチンカウンターは、キッチン天板に合わせてホワイトに。キッチンより少し高さがあるため、シンク内を隠すことができます。
 
キッチンに食洗器をビルトインすると調理後のお鍋や食後のお皿をまとめて片付けられます。ゆっくりと食後の家族団らんの時間を過ごすことができます。
 
ホワイト基調のキッチンに、ダークウォールナットの収納が空間全体に引き締めた印象を与えます。デッドスペースになりがちなキッチンカウンター下は収納のことを考えると、あらかじめ造り付けておくと便利です。
 
【事例詳細は→こちら

事例② 使いやすいL型キッチン

使いやすいL型キッチン使いやすいL型キッチン
システムキッチンは、クリナップの「STEDIA(ステディア)」の L型です。ステディアはクリナップを代表するシステムキッチンで、ステンレス製のキャビネットなので、サビや水、油よごれや熱に強く、カビやニオイも付きにくいのが特徴です。
 
クリナップの「流レールシンク」は、調理中の野菜洗い等の水の力で、シンクの中のゴミをどんどん排水口に向けて流してくれます。
 
【事例詳細は→こちら

事例③ 使い勝手にこだわったキッチン

使い勝手にこだわったキッチン使い勝手にこだわったキッチン

クリナップのI型システムキッチンは、ステンレスなので手入れも簡単で、耐久性も高いキッチンです。
 
吊戸棚は普段使わないものを入れがちですが、タウンウォールキャビネットにすることで、使い勝手が広がります。
 
【事例詳細は→こちら

キッチンリフォームにかかる費用と期間

キッチンリフォームにかかる費用と期間

キッチンリフォームにかかる費用と期間は、キッチンの間取りをどの程度変えるかによって大きく変わります。
 
こちらでは、主な工事費用の目安や期間について紹介します。

キッチンリフォームの費用目安

どのような設備を選ぶかによってキッチンリフォームの費用は大きく変わります。最新の調理設備やデザイン性の高い商品を選ぶだけでも、数十万円の価格差が発生するため、ショールームやカタログで平均的な価格帯を確認しておくとよいでしょう。
 
一般的に、キッチンはI型、L型、対面型の順に費用が高くなる傾向があります。価格帯別に取り付けできるキッチンタイプは次のようになります。
 
キッチンの本体価格 キッチンタイプ
50〜100万円 壁付けI型やL型のスタンダードなキッチンが選べます。
100〜150万円  L型や対面型など、幅広いタイプから選べます。
150万円以上 アイランドキッチンなどの対面型や、機能性・デザイン性の高いハイグレードなキッチンが選べます。
 
また、キッチンをリフォームする際には、本体価格と合わせて工事費用も確認しておく必要があります。キッチンリフォームに必要な工事費用の目安は次の表を参考にしてみましょう。
 
工事内容 費用目安
キッチンの取り付け工事 約10〜20万円
既存キッチン解体 約5万円
水道工事 約4万円
電気工事 約5万円
ガス工事 約3万円
キッチンパネル貼り 約3万円
キッチン天井クロス貼り替え 約2万円
 
リフォーム会社や建物の仕様によって工事費用は異なります。リフォームを検討する際には、どのような工事が必要で、費用はどのくらいかかるのかを見積もり時に確認することが大切です。

キッチンリフォームの工事期間

キッチンリフォームの工事期間は、どの程度リフォームするかによって日数が変わります。
 
キッチンの場所を移動せずに、設備のみを取り替える場合、工事期間は3〜6日が目安です。
 
またキッチン設備以外にも、床や天井、壁紙を取り替える場合には1週間、キッチンの間取りを変更する大規模な工事の場合には2週間〜1ヶ月程度の期間がかかることを想定しておきましょう。

キッチンをリフォームする際の注意点

キッチンをリフォームする際の注意点
キッチンをリフォームする際には注意点も確認しておきましょう。
 
こちらでは、キッチンリフォームに関する注意点を3つ紹介します。

工事中はキッチンを使えない

工事中はキッチンが使用できないため、毎日の食事をどうするか事前に考えておく必要があります。工事期間はリフォーム内容によって異なりますが、大規模な工事の場合には1ヶ月程度キッチンの使用ができません。
 
工事が長期間に及ぶ場合には、ウィークリーマンションやマンスリーマンションに仮住まいをする方法を検討してもよいでしょう。

排水・換気・電気配線の位置

マンションに住んでいる場合、水まわり設備の工事には注意が必要です。水まわりの移動の可否は、床下の配管を動かせるかどうかによるため、排水や換気ルートを確認しなければなりません。
 
また、ガスコンロとIHコンロ間での変更は、電気配線や容量の関係で変更できない場合もあるため注意してください。とくに古いマンションでは、電気容量が少ないケースが多く、消費電力の大きいIHコンロの使用は難しいかもしれません。十分な電気容量があるか、また電気容量を増やせるかどうかを事前に確認しておくと安心です。
 
さらに、変更した間取りに合わせてコンセントの位置を移動させるのであれば、電気配線や棚、ごみ箱の位置なども考慮して配置を決めましょう。
 
キッチンでは、電子レンジや食器洗い機、炊飯器や電気湯沸かし器など多くの電気機器が使われます。使い勝手がよくなるよう電気配線についても細かく計画して、リフォーム後のレイアウトを作成しましょう。

キッチンのサイズや設置後の広さ

キッチンの設備を新しくする際には、設置した後にどのくらいのスペースが部屋に残るのかを確認しておくことが重要です。
 
対面型やセパレート型のキッチンはおしゃれな印象から人気ですが、壁付式のI型キッチンに比べて「部屋が狭くなった」と感じる場合もあるようです
 
また、ゆとりあるキッチンスペースを確保するには、通路に90cm程度の幅ができるようにレイアウトしてみましょう。
 
そのほか、搬入経路や設置したいキッチン設備に対して十分かどうかを確認しておくと安心です。

まとめ

まとめ
キッチンは、調理の時間を過ごす大切なスペースです。キッチンに不満な点やトラブルがある際には、リフォームを検討してみましょう
 
キッチンのリフォームには、設備機器の本体価格に加えて工事費用も必要となります。そのため、事前に目安となるリフォーム費用を確認しておくことが重要です。
 
リフォーム事例をみて理想のキッチンを具体的にイメージしておくと、改善したいポイントや希望の間取りが明確となり、リフォーム会社との打ち合わせがスムーズに進むでしょう。
 
住んでいる建物の仕様によってはリフォームができない場合もあるため、リフォーム会社としっかりコミュニケーションを取りながら、快適に使えるキッチンづくりを目指してください。
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