5つの時期別に、引っ越し前後に行うべきチェックポイントを紹介! 役所の手続きも解説

引っ越しは荷造りだけでなくライフラインの移転や役所の手続きなど、やるべきことがたくさんあります。それぞれの手続きには期限があるため、計画的に行うことが大切です。
引っ越しを控えた方の中には、行うべき項目をチェックできる一覧が欲しいという方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、引っ越し前後を5つの時期に分けて、行うべきチェックポイントを紹介します。引っ越しが決まった際は、ぜひ参考にしてください。
引っ越しが決まった直後にすべきこと

引っ越しが決まった直後は、退去に関する契約手続きや引っ越し会社の選定などを速やかに進める必要があります。引っ越しが決まった直後にすべきことは、以下の6つです。
- 管理会社への退去日の連絡(賃貸物件の場合)
- 駐車場の解約・契約
- 引っ越し会社の選定・手配
- インターネット・電話回線の移転手続き
- 転校・転園の手続き
- 家や周辺環境の再確認
一つひとつ見ていきましょう。
管理会社への退去日の連絡
引っ越しの準備を始める際、最初にやるべきことは管理会社への退去日の連絡です。賃貸物件では、一般的には解約する旨を1〜2ヶ月前に管理会社に伝える必要があります。退去日を伝える期限は管理会社や物件によって異なるため、事前に契約書を確認しましょう。駐車場の解約・契約
駐車場を借りている場合は速やかに解約手続きを行い、新しい居住地での契約も忘れずに行いましょう。通常、駐車場の解約期限は1〜2ヶ月前です。新しい居住地で駐車場を借りる場合は、早めに探し始めることをおすすめします。また入居先の駐車場が空いているとは限らないため、近隣の駐車場も探す可能性も考慮して早めの行動が大切です。引っ越し後には、最寄りの警察署に車庫証明の住所変更の手続きを忘れないようにしましょう。
引っ越し会社の選定・手配
引っ越し会社の選定と手配を行いましょう。その際は複数の引っ越し会社から見積もりを取り、サービス内容や料金を比較することをおすすめします。特に繁忙期は予約が取りにくいため、早めに選定することが重要です。引っ越し会社が決まったら、引っ越し日を確定させて手配を進めます。
インターネット・電話回線の移転手続き
新居でのインターネットや電話回線の移転手続きは、他のライフラインの契約とは異なり、早めの対応が必要です。インターネットや電話回線を移転する際に、希望どおりの日程で工事できるとは限らないためです。電話回線の移転工事は、以下の2つのいずれかの方法で連絡します。
繁忙期には予約が取りにくいことがありますので、早めに連絡しましょう。
転校・転園の手続き
学校や幼稚園に通っている子どもがいる場合は、転校や転園の手続きを速やかに行う必要があります。学校や幼稚園に引っ越しの予定を伝え、在学証明書や在園証明書を受け取ります。在学証明書や在園証明書は、引っ越し先での入学・入園手続きの際に必要です。また保育園の場合、引っ越し先で入園できる保育園があるとは限りません。新しい居住地で空きのある保育園があるか確認し、入園申し込みを済ませておきましょう。
家や周辺環境の再確認
引っ越しをスムーズに進めるために、新居の設備や周辺 の環境をあらためて確認しておくことも大切です。賃貸物件の場合、部屋の状態や収納スペースを確認しておきましょう。家具や家電の配置やサイズ感をイメージするためにも、広さの分かる間取り図を用意しておくと便利です。また駐車場や自転車置き場の有無に加え、スーパーや病院などの生活利便施設も確認しておくと、引っ越し後の生活をスムーズに始められるでしょう。
引っ越し1か月~1週間前にすべきこと

引っ越し1ヶ月~1週間前は、不用品の処分や、 新居でのライフラインの開通準備などを始めていく必要があります。チェックポイントは、以下の8点です。
- 新居で使う家具・家電の準備
- 不用品の処分
- 梱包資材の準備
- 使用頻度の低い荷物の荷造り
- 郵便物の転送手続き
- 電気・ガス・水道の停止・開始手続き
- 各種契約の住所変更手続き
- 転出・転居の手続き
引っ越し直前に慌てないように、一つひとつ確認していきましょう。
新居で使う家具・家電の準備
現在使用している家具・家電を新居に持っていくかどうか検討し、新たに必要なものがあれば購入しておきましょう。新居で使用する家具・家電は、部屋の広さやレイアウトを考慮して、適したサイズを選びましょう。また店舗からの配送や設置に時間がかかる場合もあるため、引っ越し直前ではなく早めに準備しておくと安心です。
不用品の処分
荷造りを始める際には、まず不要な物品を整理して処分することが大切です。処分の方法は、主に以下の4つの方法があります。- 自治体のごみ収集日に回収してもらう
- フリマアプリやリサイクルショップで売却する
- 不用品回収会社に処分を依頼する
- 引っ越し会社に引き取ってもらう
一般ごみとして回収してもらう場合には、必ず自治体のルールに則って行いましょう。家具・家電の場合には、一般的には「粗大ごみ処理券」の購入や、事前に自治体の粗大ごみの受付センターへの連絡が必要です。
一方で不用品をフリマアプリなどで売却できれば、引っ越し資金としても活用できます。不用品処分の手間をかけたくない方は「不用品回収会社」に一括で依頼すると便利です。また引っ越し会社によっては、不用品の処分のサービスを提供しているケースもあります。
梱包資材の準備
引っ越しのための梱包資材を準備しておく必要があります。ダンボール箱や梱包テープ、クッション材などを用意しておきましょう。また、引っ越し会社によっては梱包資材を提供してくれる場合もあります。自分で購入する必要がなく便利なので、事前に確認しておきましょう。使用頻度の低い荷物の荷造り
引っ越しの1週間前までは、使用頻度の低いものから荷造りを少しずつ始めましょう。例えば、季節外れの衣類や本などから梱包していくのがおすすめです。荷造りしたダンボールには中身や運び先の部屋の名前を記入しておくと、引っ越し会社が荷物を搬入する際や自身が荷解きする際に便利です。郵便物の転送手続き
郵便局に転居届を提出し、新しい住所への郵便物の「転居・転送サービス」の依頼をしましょう。「転居・転送サービス」を利用すれば、1年間無料で旧住所宛ての郵便物を新居に転送をしてもらえます。転居届の提出方法は、以下の3つです。- インターネット「e転居」で提出
- 郵便局窓口で提出
- ポストに投函
転居届は、インターネットでいつでも提出できる「e転居」の利用が便利です。郵便局窓口で提出する場合には、運転免許証などの確認書類を持参する必要があります。郵便局窓口で転居届を受け取った後に、必要書類を揃えてポスト投函での提出も可能です。
電気・ガス・水道の停止・開始手続き
引っ越しの2週間程度前を目安に、電気・ガス・水道の停止及び開始手続きを行いましょう。引っ越し前の家の停止と新居での開始は、一度に合わせて申し込みできます。申し込み方法は電話、もしくはインターネットでも手続き可能です。申し込みの際には、現住所での停止と新居での開始の正確な日時を伝えましょう。各種契約の住所変更手続き
引っ越しの1週間前を目安に、自身が契約している各種サービスの住所変更手続きを完了させておきましょう。住所変更は、主に以下のサービスで必要です。- 定期購読誌(新聞など)
- 食材宅配サービス
- インターネットショッピングサイト
- NHK
- クレジットカード
- 各種保険
定期配送されるサービスは、住所変更しておかないと新居に商品が届きませんので、必ず手続きをしておきましょう。
転出・転居の手続き
異なる市区町村へ引っ越す場合には「転出届」の提出が必要です。転出届 は、引越先の住所の市区町村役場へ14日前から引っ越し当日までに提出する必要があります。転出届を提出すると「転出証明書」が発行されます。新しい住所の市区町村に「転入届」を提出する際に必要になるため、大切に保管しておきましょう。一方、同一市区町村内の引っ越しの場合は「転出届」は不要です。ただし、同一市区町村内であっても、引っ越し後には「転居届」を提出する必要がある点に注意しましょう。
引っ越し1週間前~前日までにすべきこと

当日の引っ越しをスムーズに進めるために、1週間前〜前日までの準備は大切です。以下の4つのポイントを確認しておきましょう。
- 使用頻度の高い荷物の荷造り
- テレビ・オーディオ配線の整理
- 冷蔵庫の中の整理
- 冷蔵庫・洗濯機の水抜き
一つひとつ確認しながら、引っ越しの準備を進めてください。
使用頻度の高い荷物の荷造り
引っ越しの直前には、使用頻度の高いものも荷造りしておく必要があります。家具の解体や家電の梱包などは、直前のタイミングで行います。当日使う可能性のある洗面用品などは、旅行用バッグにまとめて収納できるようにしておくと便利です。テレビ・オーディオ配線の整理
引っ越し先でのテレビやオーディオの設置に備えて、配線の整理をしておきましょう。コードやケーブルをまとめ、新居ですぐに元に戻せるように、各機器ごとに目印をつけておくのがおすすめです。冷蔵庫の中の整理
冷蔵庫を新居に運ぶ際には、中身を空にしておく必要があります。引っ越し直前は、食材を使いきれるように計算して買い物をすることが大切です。冷蔵庫・洗濯機の水抜き
冷蔵庫と洗濯機を運ぶ際には、水抜きが必要です。冷蔵庫は庫内で発生した霜が溶けて、受け皿などにたまっています。前日のうちにコンセントを抜き、霜取りを行ったうえで冷蔵庫内の水を完全に排出しましょう。洗濯機は、給水ホースや排水ホース内の水を抜き取ったうえで外しておきます。引っ越し当日にすべきこと

引っ越し当日は、荷物の運搬と合わせて以下の4つの作業・手続きを行います。
- 鍵の返却と新居の鍵の受け取り(賃貸の場合)
- 引っ越し料金の支払い
- 電気・水道の開通の確認
- ガスの開栓・インターネット回線工事の立ち会い
一つひとつ確認しましょう。
鍵の返却と新居の鍵の受け取り
荷物を搬出したら、部屋の掃除を行いましょう。その後不動産会社の立ち会いの元、部屋の傷や汚れを確認します。もし自身の費用負担が必要な修繕箇所があった場合には、敷金から差し引かれます。最後に鍵を管理会社に返却します。鍵の返却をもって、賃貸契約の終了手続きが完了です。新居の鍵は契約開始日に受け取ることが通例です。引っ越し当日が契約開始日である場合、新居の鍵を忘れずに受け取っておきましょう。
引っ越し料金の支払い
引っ越し会社との契約に基づき、料金を支払います。支払いのタイミングは会社によって異なりますが、引っ越し当日に支払うケースが一般的です。最近はクレジットカード決済や後払いが可能な会社も存在するため、利用したい方は事前に確認しておきましょう。電気・水道の開通の確認
新居に到着したら、電気や水道の開通を確認します。ブレーカーを上げて「電気が通っているか」、水道の蛇口を開けて「水が出るか」を確かめます。万が一トラブルがあれば、速やかに管理会社に連絡して対応してもらいましょう。ガスの開栓・インターネット回線工事の立ち会い
ガスの開栓やインターネット回線の開通には、通常立ち会いが必要です。事前に引っ越し日時を連絡していれば、スムーズに開栓・開通作業ができるでしょう。引っ越し後2週間以内にすべきこと

引っ越し後には、2週間を目安に以下の手続きなどを行いましょう。
- ご近所への挨拶まわり
- 転入手続き
- 転校・転園の手続き
- その他の手続き
新居の荷物整理に忙しい時期ですが、必要な手続きをなるべく早く行っておきましょう。
ご近所への挨拶まわり
新しい住居に引っ越したら、近隣の住民に挨拶まわりをしましょう。丁寧に挨拶まわりをすることで「地域の情報を教えてもらえる」「災害の際に助け合える」関係が作れます。挨拶まわりの際は、タオルなどの手土産を持参することがマナーです。挨拶の範囲は、一軒家の場合「両隣と向かい3軒、裏3軒」、集合住宅の場合は「両隣」が基本と言われています。ただし明確な決まりがあるわけではありませんので、ご自身の考えに基づいて行いましょう。転入手続き
旧居とは異なる市区町村に引っ越した場合には、2週間以内に新しい住所地の役所で転入手続きを行いましょう。転入手続きには、転出時に受け取った「転出証明書」のほか、運転免許証などの本人確認書類と印鑑が必要です。同一市区町村内での引っ越しの場合にも「転居届」の提出が必要です。転居届の手続き時には、本人確認書類と印鑑を持参しましょう。
転校・転園の手続き
小中学生の子どもがいる場合は、転入または転居届の提出後に「転入学通知書」を受け取れます。「転入学通知書」を持って、新しい学校への転入手続きを行いましょう。保育園は入園希望者が多数いる場合には、保育の必要性が高い家庭が優先になります。引っ越し前に転園可能な保育園があるか確認し、入園手続きを済ませておくことが大切です。
その他の手続き
引っ越し後には、その他に以下の役所での住所変更手続きが必要です。- マイナンバーカード(市区町村)
- 印鑑登録(市区町村)
- 国民健康保険(市区町村)
- 国民年金(市区町村)
- 児童手当(市区町村)
- 自転車防犯登録(都道府県警察)※都道府県をまたいだ引っ越しの場合のみ
- 原付(市区町村)
- 軽二輪・小型二輪(陸運支局)
- ペット(市区町村)
異なる市区町村に引っ越す場合「国民健康保険」と「児童手当」は、旧住所地の役所での手続きも必要になる点にご注意ください。
引っ越し前後の準備・手続きはもれのないようにチェックしましょう

引っ越し前後はやるべきことが多く、手配漏れが発生しやすくなります。特に役所の手続きに不慣れな方は、ついつい後回しにしがちです。しかし、必要な住所変更手続きをしておかないと、サービスが受けられなくなるなど不都合が生じる場合があります 。
本記事で紹介したチェックポイントを確認した上で、もれがないように計画的に準備を進めましょう。