あまり電気を使ってないのに電気代が高いと感じる7つの原因! 料金内訳の確認の仕方や節約の方法を解説

「あまり電気を使っているつもりはないのに料金が高い」と感じたことはないでしょうか。電気代が想像以上に高くなる原因は様々で、日常の中で見落とされがちなポイントが数多くあります。
本記事では、電気代が高くなる7つの主な原因を解説し、簡単にできる節約術についても紹介します。電気代を効率的に抑えるためには、まず「どこに原因があるのか」を知ることが大切です。賢く節約し、無駄な支出を減らしましょう。
電気代が「あまり電気を使ってないのに高い」と感じる7つの原因

電気代が高くなってしまう原因は、主に7つあります。一つひとつ確認して、自身の生活を見直しましょう。
使用量の増加に気づいていない
意外と見逃しがちな原因は、自覚がないまま使用量が増えていたことです。例えば、冬場は暖房器具の利用が増えるため、電気の消費量が大きくなります。在宅ワークを始めた家庭では、日中の電気使用量が増えていることがあるでしょう。また子ども部屋の暖房がつけっぱなしになっていたなど、目が届いていないところで電気を浪費している可能性もあります。電気代は日頃の小さな行動が積み重なり、想像よりも高くなっていきます。まずは電気の使用状況をこまめに確認することが大切です。
古い家電を使用している
古い家電は最新モデルに比べて、多くの製品で消費電力が大きくなります。特に使用時間の長いエアコンや冷蔵庫などは、古い製品を使っていると電気代が高くなる原因になります。家電は年々消費電力の小さい製品が発表されています。エアコンなど、特に消費電力が大きい家電製品は、省エネ性能を重視して買い替えることで電気代の抑制につながるでしょう。
参考:家庭用エアコンディショナーの新たな省エネ基準を策定しました (METI/経済産業省)
待機電力を使っている
家電は使用していなくても、コンセントに繋がっているだけで待機電力が発生します。例えばテレビは、リモコンからの信号を常に受信可能な状態にしておくため、待機電力が発生しています。テレビの他にもデジタルタイマーが付いている製品など、多くの家電に待機電力が発生していると考えておきましょう。資源エネルギー庁の調査によれば、1世帯あたりの年間消費電力量のうち待機消費電力量は5.1%を占めているとのデータもあります。待機電力の電気代は一見少額に思えるかもしれませんが、年間で考えると無視できない金額になります。
参考:平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業 (待機時消費電力調査)報告書概要
電気代の値上げ
電気代が高くなったと感じた場合、電力単価が上昇している可能性があります。電気代の値上げは「燃料費調整額」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の2つの単価が大きく影響を与えます。「燃料費調整額」は、国際情勢などによって原油や天然ガスなどの調達額が上がれば上昇します。「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は再生可能エネルギーの市場価格の上昇や供給量が増えた場合に価格が上がる仕組みです。
電気代が急に高くなったと感じた場合、電気料金の明細で「燃料費調整額」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の金額を確認してみましょう。
料金プランが自身のライフスタイルに合っていない
電気料金プランが自身の生活スタイルに合っていない場合、無駄に高い料金を支払っている可能性があります。電力自由化に伴い様々なプランが登場しており、時間帯別や使用量別に料金が異なるなど、ライフスタイルに合った選択が重要です。例えば、深夜に電気料金が安いプランを選んだにもかかわらず、日中の電気の使用が多かった場合には、電気代が高くなることがあります。逆に在宅ワークをしている方がいる家庭では、日中の使用量に応じたプランを選ぶことで、節約効果が期待できます。
国の政策変更
国が実施する電気料金の補助金政策が終了した場合、電気代が急に上がることがあります。国は電気料金の高騰対策として、2023年1月分から2024年5月分まで、3.5円/1kWhの補助を行っていました。その後2024年8月から10月は4円/1kWh、11月は2.5円・1kWhと補助は継続され、12月以降は未定です。電気料金の補助金政策については、普段からニュースなどでチェックしておきましょう。
参考:電気・ガス料金支援|経済産業省 資源エネルギー庁
盗難や漏電
電気が盗まれている場合や漏電している場合も、電気代が不自然に高くなる原因です。具体的には「家の外部のコンセントが使われていることに気づいていない」「漏電が発生している」といったケースがあります。電気の盗難は、マンションで屋外コンセントに延長コードを差し込んで隣の住人が盗んでいたという事件が実際にありました。目に付きにくい場所にコンセントがある場合には確認してみると良いでしょう。
分電盤には漏電検知機能があるため、異常があればブレーカーが落ちる仕組みです。しかし分電盤の故障によって、漏電を検知しないというケースがあります。漏電が疑われる場合には、分電盤が機能しているのか確認してみましょう。
電気料金内訳で確認すべき4つの金額

電気代の内訳は、紙の「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」や「電力会社のWebサイトの会員向けマイページ」で確認可能です。
電気代内訳は以下の4つの料金で構成されています。
- 基本料金
- 電力量料金
- 燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進割賦金
こちらでは電気料金の内訳を理解するために、4つの料金について解説します。
基本料金
基本料金は、契約しているアンペア数によって決まる固定額です。電気を全く使わない場合でも、契約アンペア数に応じた金額が毎月請求されます。料金はアンペア数が高くなるほど、高額になる仕組みです。必要以上に高いアンペア数になっている場合、契約内容を見直すことでコストを抑えられます。また基本料金は電力会社によって異なります。複数の電力会社の基本料金を比較することで、より安価に契約できる可能性があるでしょう。
電力量料金
電力量料金は、使用した電力量に基づいて計算される部分です。電力会社や契約プランによって単価は異なり、使用量に応じて変動します。「一定の使用量までは定額」「夜の時間帯の単価が低い」といったプランが選択できます。自身のライフスタイルに適したプランを選ぶことで、電力量料金の単価を下げることが可能です。
燃料費調整額
燃料費調整額は、電力会社が発電に必要な「燃料の価格変動」を反映するために設定されています。原油や天然ガスの価格が上昇すると調整額も上がるため、電気使用量が同じでも電気代が増えることがあります。国際的なエネルギー価格の変動に左右されるため、個人の使用状況とは関係なく影響を受ける金額です。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーの普及を推進するためのコストをカバーするため電気代に付加される金額です。料金は全国一律で設定されており、電力の使用量に応じて増減します。電気代の内訳をしっかり把握し、どの項目が最も影響を与えているのかを確認することが節約の第一歩です。
世帯人数別の電気料金の平均月額

電気代が高いと感じている方は、平均の月額も確認してみましょう。総務省統計局が行っている家計調査によると、2023年1月の世帯人員別の電気代の平均月額は以下のとおりです、
- 平均:17,190円
- 2人世帯:15,130円
- 3人世帯:17,992円
- 4人世帯:19,061円
- 5人世帯:21,453円
平均に比べて自宅の電気代が高すぎる場合には、料金プランや家電の使い方になんらかの問題があると考えられます。
参考:統計局ホームページ/家計調査(家計収支編)調査結果 「3-1 世帯人員別 二人以上の世帯・勤労者世帯・無職世帯」
「あまり電気を使ってないのに高い」と感じている方が料金を抑える5つの方法

最後に電気代を抑える具体的な方法を解説します。すぐに取り組める方法も紹介しているので、1つずつ実践してみましょう。
電力会社・料金プランを見直す
電気代の削減方法としてまず検討すべきことは、電力会社や料金プランの見直しです。電力自由化により様々な新電力会社が登場し、それぞれ異なる料金プランを提供しています。自身のライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、電気代を抑えられる可能性があります。例えば夜間に衣類乾燥機を使う家庭では、夜間料金が割安なプランを選ぶと効果的です。逆に日中の使用が多い場合は、定額プランなどが適しています。また電力会社によっては「ガス」「携帯電話」の契約でセット割引プランを提供している場合もあります。
複数の電力会社を比較して、自身に合った料金プランを探してみましょう。
契約アンペアを見直す
契約アンペア数が過大ではないか、確認してみましょう。家族構成や電気の使用状況に応じて適切なアンペア数を選ぶことで、基本料金を削減できます。例えば、二人暮らしの家庭では30~40Aで十分なことが多いため、それ以上のアンペア数で契約している場合には見直しを検討してみる価値があるでしょう。
最新の家電・LED照明に買い替える
省エネ家電やLED照明への買い替えは、電気代を削減する有効な手段です。最新の家電製品はエネルギー効率が大幅に向上しているため、電気代の節約に大きく貢献します。例えば、冷蔵庫は10年前に比べると約28~35%省エネです。またLED照明は蛍光灯に比べて消費電力が約3分の1であるため、電気代の削減効果を感じられるでしょう。
省エネ性能の高い家電製品やLEDの導入には、初期投資はかかるものの、長期的には大きな節約効果を生みます。家庭でできる省エネの方法については、関連記事の「省エネのためにできること! 家庭でできる電気・ガスなどの節約方法」で詳しく解説しています。
参考:機器の買換で省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
家電のコンセントを抜く・照明を細かく消す
家電は使用されていなくても、コンセントに差し込まれているだけで電力を消費するため、無駄な電気代がかかります。使用していない家電のコンセントを抜けば、待機電力を減らせます。コンセントを一つひとつ抜くことは手間ではあるため、スイッチ付きの電源タップの利用が便利です。また無駄に電力を消費しないためには、使っていない照明をこまめに消すことも基本です。基本的な節電習慣を心がけることで、年間を通じた電気代の削減が期待できるでしょう。
電気代が特に高くなりがちなエアコンの節電については「エアコンの電気代を計算する2つの方法! 10個の節約術も詳しく解説」で詳しく紹介しています。
太陽光発電・蓄電池を設置する
太陽光発電や蓄電池を設置することは、電気代を大幅に削減できる手段です。初期投資がかかりますが、電気使用料が抑えられる上に電力が余れば売電も可能です。蓄電池を利用すれば、余った電気を貯めておくこともできます。また深夜時間帯の電気料金が安くなるプランに契約すれば、夜間電力で蓄電池を貯めて昼間に使うことで、電気代を安く抑えられるでしょう。
エコでありながら経済的なメリットも得られる太陽光発電は、長期的に見れば電気代削減に大きな役割を果たします。太陽光発電システムの導入については、関連記事の「太陽光発電は蓄電池との同時設置がおすすめ! 連携する仕組みとデメリットも解説」で詳しく紹介しています。
「あまり使ってないのに電気代が高い」という場合はまず使用量を確認しましょう

電気代が高いと感じたとき、まず確認すべきは自身の使用量です。使用量が以前と比べて増えている場合には「無駄な電気を使っていないか」「ライフスタイルに変化がないか」確認してみましょう。
日中家にいる時間が増えたなどの変化があった場合には、契約プランを見直すことで電気代を抑えられる可能性があります。また初期投資はかかりますが「古い家電の買い替え」「太陽光発電・蓄電池の導入」など、自身でできる省エネ対策もあります。
電気代を抑える工夫を積極的に行うことで、無駄な出費を減らすことは可能です。小さな工夫からでも一つひとつ取り組んでみましょう。