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どこの家にも当たり前のようにある「リビング」は家の中心にあることが多く、またそのスペースはおそらく家の中で最大です。それにもかかわらず、ソファとテーブルを置いてあるだけというケースがほとんどでしょう。
さらに、家族団らんの時を過ごそうと思っていたリビングのソファが、いつの間にか乾いた洗濯物の置き場と化しまう。
そして、来客のたびに大慌てで片付けして、ソファの全容が現れるのが数カ月ぶり…という場面に心当たりがある人も少なくないでしょう。
しかし、コロナ禍という前代未聞の状況に置かれ、リモートワークやリモート学習の必要に迫られる中、
急浮上してきたのがリビングです。
そこでこの記事では、家の中でかなりの面積を占めるリビングを今以上に活用するべく、さらなる可能性について解説します。コツを知り、この機会に自分らしいリビング活用法を創造してみましょう。
リビングの役割と活用方法
①家族団らんの場
リビングの役割の最たるものは、家族が集まり、会話やテレビ視聴を楽しむ団らんの場ではないでしょうか。明るい笑い声が響く、大切な時間を過ごす場は今の私たちにとって重要です。家族団らんの場としての役割を果たすために、座るスペースは家族の人数分用意できているか、座るスペースはくつろぐのに充分な柔軟性とサイズ感を備えているかについて、今一度見直してみましょう。
②来客応対の場
いつ来客があってもいいように、定期的な清掃はもちろんのこと、ソファは座れるようになっているか、郵便物や雑誌、新聞紙などのゴミ置き場と化してないかを確認し、テーブル上とソファの座面はスペースを空けておきましょう。その上で、季節や行事に合わせた花や装飾品を置けば招かれた方もおもてなしの気持ちを実感できるでしょう。
③仕事や学習の場
コロナ禍前にはあまりなかった役割として、仕事や学習の場としてリビングを活用している人もいると思います。ネット環境が整いテーブルと椅子があるため、その場を選びがちです。その時に大切なことは、リビングに置いてある椅子がデスクワークとしての機能があるかどうかです。また、他の家族が出入りする場所でもあるので集中力が途切れがちになります。パーテーションなどで目隠しをする工夫をした上で、デスクワークに適切な椅子を準備しましょう。
④遊び場や趣味のための空間
他の部屋に比べてゆったりとしたスペースのリビングは、遊具や子ども用の家具を置くことで子どもの遊び場としての機能を兼ねたり、家族それぞれが趣味を楽しむ場としても機能するでしょう。それ以外に、絵を飾ったり、花や観葉植物を並べたりするのもおすすめです。このように、それぞれの趣味に合わせて空間を整えていくことで、リビングはそこに住む人にとってのかけがえのない場所になっていくことでしょう。
五感で感じる自分好みのリビングを
①視覚:驚くほど効果的な照明効果に注目
間接照明は直接リビング空間を照らす直接照明と比べて、天井や壁に光を当てる柔らかな光が広がり、光の刺激が最小限になるので、ストレスが軽減され心地よい時間が過ごせます。リビングで音楽を聴いたり、映画鑑賞したりするのにピッタリでしょう。また、間接照明用の器具も年々充実しているので、きっとお気に入りのものが見つかるでしょう。
②嗅覚:香りを楽しむ
香りによる演出はいかがでしょうか。その時の気分や季節に合わせて、リビングの香りを変化させるのもおすすめです。難しく感じるかもしれませんが、気になる香りのアロマオイルをアロマディフューザーに数滴垂らすだけでOKです。加湿タイプのディフューザーもありますので、乾燥が気になるときには一石二鳥でしょう。アロマオイルがない場合、お花を飾ることは簡単に始められ、視覚的にも癒しの効果があるので良いでしょう。③聴覚:音にこだわりたい
最近は様々なオーディオスピーカーが手ごろな価格で登場しており、気軽に購入しやすくなりました。外観もデザイン性に富んでいるものが多いため、お部屋のアクセントにも使えます。スポットライトなどを使用するためにダクトレール(配線ダクトやショップラインと言われるもの)がリビングにある場合、それにスピーカーを取り付けることも可能です。音源はスマートフォンからBluetooth(R)やWi-Fi(R)などで飛ばせるものもあるため、複雑な装置がなくても本格的な音を容易に楽しめます。これからのリビング提案
・アートを飾る
子どもが描いた絵やポスターやカレンダーの美しい写真でもOKです。額装すると見栄えが際立ちます。また、写真立てでなく壁の目線の位置に飾ることで、リビングのインテリアとしてアップグレードします。取付ける場合は「Xフック」と呼ばれる金具を使えば、壁の穴も針で開けたような小さなサイズですみ、額を外した場合でも目立たないでしょう。・アクセントウォールにチャレンジ
「アクセントウォール」と呼ばれる、部屋の壁の一面だけデザイン性の高い壁紙を貼る方法が流行しています。DIYで手軽に貼ることができる壁紙もたくさん販売されています。また、剥がせるタイプの糊もありますので、うまくいかなくても簡単にやり直すことができます。・流行のアウトドアリビング
リビングを戸外に設ける「アウトドアリビング」が最近注目されています。
室内用と見た目の変わらない、アウトドア対応のソファやテーブルが各メーカーから出ています。
アウトドアであれば、密になる心配もなく、子どもが汚した場合も室内と比べ負担が軽く、来客時にお互いに余分な気遣いをしなくてもすみます。強い日差しや急な雨などに対応できるよう、シェードやパラソルも準備しましょう。
まとめ
さまざまな活用方法を知ることで、自分好みのリビングの作り方が見えてきたのではないでしょうか。
何が好きで何が心地良いのか、まずはリビングをお掃除し、美しく整えてからじっくり考えてみてください。
執筆者:
松田 芳枝
インテリアコーディネーター、
インテリアサロンDecorte代表
椙山女学園大 非常勤講師。
東海3県を中心にインテリアコーディネーターとして25年以上活躍。住宅や商業施設など幅広い分野を得意とし、リピーター客も多く抱えている。大学や専門学校でインテリア講師として授業を担当し、後進の育成に励む。メディア出演も多数。
http://www4.famille.ne.jp/~decorte/
ブログ:http://ameblo.jp/decorte