マンションの購入や住み替えを検討する際、セキュリティ性の高さは重要なポイントです。
 
小さな子どものいるご家庭や、一人暮らしの高齢者はもちろん、安心して過ごしたいと誰もが思うでしょう。
 
安全・安心な生活を送るためのマンションセキュリティには、どのようなものがあるでしょうか。防犯性の高いマンション選びのポイントもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
 

マンションセキュリティの種類と特徴

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マンションでは住人が日々安心して生活できるよう、さまざまなセキュリティ対策がとられています。
 
建物の外周には防犯カメラが設置され、さらに建物内に入るためにはオートロックによる解錠が必要となる、二重のセキュリティシステムが備わっているマンションもあります。
 
マンションセキュリティにはどのようなものがあるのか、その種類とそれぞれの特徴を見ていきましょう。
 

オートロック

オートロックは、扉が自動で施錠されるセキュリティシステムのことをいいます。マンションのエントランスで、鍵や暗証番号、住宅内のインターホンなどを使って解錠する必要があります。
 
オートロックが備わったマンションでは、不要なセールスを断るなど、部外者の侵入を防ぐことができます。
 
ただし、入居者のあとについて部外者が侵入してくるケースは、オートロックでは防ぎきれないことがあります。

防犯カメラ

鍵穴に鍵を差し込み、左右どちらかに回して解錠する「ディンプルキー」や、受信機に鍵を近づけるだけで解錠できる「非接触キー」、鍵穴の向きを気にせず表裏どちら側からでも鍵をスムーズに差し込める「リバーシブルディンプルキー」など、さまざまな種類があります。
 
これらの鍵はいずれも複雑な作りをしているため、防犯性が高いというメリットがあります。

モニター付きインターホン

エントランスと玄関の2ヶ所のカメラで来訪者を映し、住戸内のモニター付きインターホンで確認するセキュリティ性の高いマンションもあります。
 
モニターを通して来訪者の顔が分かるため、友人や配達業者などに対してはオートロックを解錠し、不審者や勧誘などに対してはその場で断ることができます。

窓 面格子 ルーバー面格子
(参考写真:ルーバー面格子)

マンション内へ侵入する不審者は、エントランスからだけでなく、窓から入ってくる可能性もあります。
 
2019年のデータでは、4階建て以上の共同住宅において、空き巣の約3割が窓からの侵入によるものとされています。[注1]
 
ベランダに面した窓に防犯ガラスを採用するマンションや、共用廊下側の窓にルーバー面格子を設置しているマンションもあります。
 
[注1]令和元年の刑法犯に関する統計資料|警視庁
https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/R01/r01keihouhantoukeisiryou.pdf
 

エントランスのオートロックによるセキュリティ対策

エントランス オートロック インターホン
エントランスは、セキュリティ性の高さを重視し、さまざまなタイプのオートロックシステムが採用されています。
 
施錠・解錠というと鍵を持つイメージがありますが、ハンズフリータイプのものやカード型のものなど、多くの種類があります。
 
エントランスで使用されているオートロックには、どのようなシステムがあるのでしょうか。マンションで多く見られるタイプのオートロックシステムをご紹介します。

カードキー式

その名の通り、カードの形をした鍵のことをさします。センサーにかざしたり差し込んだりして解錠します。
 
カードキーはピッキングされる恐れがなく複製も難しいため、他の鍵と比べて安全性が高くなります。しかし、カードケースなどに他の磁気カードと重ねて使い続けると壊れてしまう場合があるので注意が必要です。

暗証番号式

暗証番号式とは、エントランスに設置されているオートロック設備のテンキーに、あらかじめ設定された暗証番号を入力して解錠する方法です。
 
カードキーや一般的な鍵とは違い、持ち運ぶ必要がなく紛失の恐れもありません。
 
しかし、番号入力時に後ろから見られるリスクや、暗証番号を忘れる可能性があるため、取り扱い時や番号の管理には十分気をつけましょう。

集合キー式

玄関の鍵を作って、エントランスのオートロックを解錠し、その先に入ることができます。
 
エントランスと玄関部の2つの鍵を所有する必要がないため、住人にとっては利便性の高いタイプの鍵といえるでしょう。 
しかし、集合キーをどこかで落としてしまうと、それを拾った誰かにエントランスを開けられる危険もあります。
 
集合キー式は、住戸だけでなくマンション全体のセキュリティにも関わっているという責任意識を持つことが大切です。

非接触キー式

非接触キー式とは、鍵やICチップを受信機に近づけるだけで解錠ができるシステムです。
 
エントランスでの、鍵穴に鍵を差し込むわずらわしさがなくなり、ストレスなく解錠できるのが特徴です。
 
また、鍵をポケットなどに入れたまま受信機に近づくだけで解錠できる、ハンズフリータイプの非接触キーもあります。 
非接触キーでの解錠は、沢山の荷物を持っているときにも使いやすいシステムのため、採用するマンションも増えてきています。
 

防犯性の高い玄関ドアの鍵とは

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4階建て以上のマンションで一番多い空き巣の侵入経路は、玄関ドアからの侵入です。[注1]主な侵入方法は、ピックなどの器具を差し込み解錠する「ピッキング」やドアの外側からサムターンと呼ばれる内鍵つまみを回転させ解錠する「サムターン回し」などが挙げられます。
 
マンションは、集合エントランスのセキュリティ性が重視されがちですが、住戸への侵入を防ぐための、玄関ドアのセキュリティにも注目してみましょう。
 
空き巣被害にあわないためにはどのような対策が必要なのか、防犯性を高める玄関ドアの鍵の種類をご紹介します。
 
[注1]令和元年の刑法犯に関する統計資料|警視庁
https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/R01/r01keihouhantoukeisiryou.pdf

防犯対策にはディンプルキー

ディンプルキーとは、鍵を差し込む部分にディンプル(=くぼみ)がついた鍵のことです。空き巣被害の対策として2000年以降、急速に普及してきました。
 
鍵のくぼみとシリンダー内にある複数のピンが合致したときに解錠できる、という複雑な作りになっているため、ピッキングされにくく複製もされにくい、という特徴があります。

鍵穴がないキーレス錠

キーレス錠とは、玄関ドアに鍵穴がなく指紋認証やカードキーなどによって解錠するタイプをさします。解錠するために鍵を抜き差しする手間が省けるうえ、鍵穴がないためピッキングが出来ません。
 
繊細な構造をしている指紋認証センサー部分は、認証エラーを起こさないように定期的な清掃やメンテナンスが必要です。 

ダブルロック

ひとつの玄関ドアに2ヶ所の施錠が必要なタイプを「ダブルロック」といいます。鍵が2つ必要な場合もありますが、通常はひとつの鍵で2つの鍵穴に対応するというタイプが一般的です。
 
鍵穴がひとつしかない玄関ドアよりも不正解錠に時間がかかるため、空き巣被害のリスクを下げることができます。

サムターン回しの対策

サムターンとは、玄関ドアの内側についている「内鍵つまみ」のことです。このつまみ部分が縦になっていると解錠中、水平になっていると施錠中になります。
 
つまみに軽く触れて回すだけで解錠ができるため、外側のドアポストやドアスコープの隙間から細い棒を通し、内側の内錠つまみを回して解錠される恐れがあります。
 
サムターン回しの被害にあわないためには、サムターンにカバーを設置したり、玄関ドアに隙間ができないようにドアガードをつけたりするなどの対策が必要です。

セキュリティ対策がしっかりしているマンションの特徴

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複数の世帯が同じ建物の中で暮らしているマンションでは、出入り口のオートロックだけではなく、建物全体での包括的なセキュリティが求められます。
 
誰もが安心して暮らすことができるように、セキュリティ対策がしっかりしているマンションの特徴を3つご紹介します。
 

厳重な「トリプルセキュリティ」

マンションは、エントランスから住戸へたどり着くまでに、ある程度の距離があります。その間にいくつかのセキュリティポイントを設けることで、マンションの安全性を高める仕組みになっています。
 
トリプルセキュリティとは、一般的に「エントランス」「エレベーター」「玄関」の3ヶ所において、セキュリティシステムを設けたもののことをいいます。エントランスでのオートロック、玄関の解錠に加え、該当の階にしか停止しないエレベーターを採用するマンションも増えてきています。
 
住戸へ入るまでの手間が多少かかるかもしれませんが、トリプルセキュリティを採用しているマンションは、防犯性がさらに上がります。
 

24時間有人管理のマンション

スタッフが24時間常駐し、セキュリティ対策をしているマンションもあります。「有人管理」には、マンション管理人のほか、警備員やマンションコンシェルジュも含まれます。
 
マンションに常時スタッフがいるというだけで防犯効果があり、特に夜遅く帰宅する方には心強い味方となるでしょう。

マンションの安全を守る「ホームセキュリティシステム」

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安全|「ローレル」とは|近鉄不動産

ホームセキュリティとは、マンションの住人が安心して暮らせるように、あらかじめ契約した警備会社によって24時間365日遠隔監視が行われ、緊急事態が発生した際に対応してもらえるシステムのことです。
 
玄関やバルコニー開口部の窓などに住戸内防犯センサーが設置されており、住まいへの侵入を防ぐセキュリティを施しているマンションもあります。
 
さらに、ホームセキュリティシステムの役目は防犯だけではありません。
 
共用部においてはエレベーターや給排水ポンプの停止、専有部ではガス漏れや急な体調不良といった、日常の中で起こり得るさまざまな緊急通報に対して担当警備員がかけつけ、住人の安全・安心を守っています。
 

まとめ

マンション セキュリティ 
マンションセキュリティには、さまざまな種類があります。エントランスにはオートロックや防犯カメラ、住戸内にはモニター付きインターホンを導入し、不審者の立ち入りが難しい仕組み作りをしています。
 
多くのマンションで採用しているオートロックシステムには、カードキーや集合キーの他、暗証番号を入力する方法や非接触キーでの解錠方法があり、それぞれ特徴が異なっています。
 
より高いセキュリティ性を求めるなら、トリプルセキュリティやホームセキュリティ、有人管理体制を採り入れたマンションの検討をしてみるのがよいでしょう。
 
心安らかな生活を送るには、安全で安心な環境が基本です。そのためには、どのようなセキュリティが自分や家族にとって必要か、考えてみてはいかがでしょうか。