INDEX目次
テレワークに特化したマンションには、共用部分や部屋に集中できる空間があります。選ぶ際はインターネット環境や防音性をチェックしましょう。空間を区切ったり、個室型ワークスペースを購入すれば、テレワークスペースを作れます。人間工学に基づいた椅子と机を選び、快適に作業しましょう。
テレワークとは出社の必要がなく、人との接触を避けられるため、コロナ禍にあった理想的な働き方だといえるでしょう。
しかし自宅で働くとなると、騒音で集中できなかったり、インターネット環境が整っていなかったりといった問題を自分で解決しなければいけません。
テレワークに特化したマンションは、マンション自体にテレワークができるスペースがあり、設備も整っています。
この記事では、テレワークに特化したマンションの特徴や、賃貸でもできるテレワークスペースの作り方について紹介します。
テレワークに特化したマンションは共用部分や部屋にワークスペースがある
テレワークに特化したマンションとは、その名の通り出社せず「テレ=離れた場所」で仕事をする方のためのマンションのことです。
近年、多くの企業でテレワークの導入が進み、自宅で仕事をする方が増えました。
通勤の必要がなくなり社員の負担が少なくなるメリットがある一方、防音・遮音が気になったり、部屋が狭くワークスペースを取れなかったり、インターネットが遅かったりといった問題もあります。
そうした住人の悩みを解決するのが、テレワークに特化したマンションです。
いわゆるタワマンのような高層マンションだけではなく、単身者向けのマンションにもテレワークスペースが導入されはじめています。
テレワークに特化したマンションは、共用部分にワークスペースやスタディルームがあったり、テレワークがしやすい間取りに設計されていたりするのが魅力です。
テレワークに特化したマンションが増えた背景にはコロナ禍と政府の推進
テレワークに特化したマンションが増えているのは、政府の推進をコロナ禍が後押ししたからだと考えられるでしょう。総務省が2015年に公開した2014年「通信利用動向調査」の結果では、2014年時点のテレワーク導入率は11.5%と少ないことが分かりました。[注1]
このことから政府は2020年までに、テレワーク導入企業を2012年度比で3倍、そして週1日以上終日でテレワークする労働者を全体の10%以上にすると目標を掲げています。[注2]
次に東京都が2021年9月に公開した「テレワーク実施率調査結果」のグラフでは、昨年3月には実施率24.0%だったものが、翌月には62.7%まで上昇しています。[注3]
さらに緊急事態宣言下であった2021年8月には65.0%まで上昇しました。
人々の働き方が変わったことで、住まいへの考え方も変わり、そのニーズに応えるべくテレワークに特化したマンションが普及したのでしょう。
テレワークに特化したマンションを選ぶ3つのポイント
テレワークに特化したマンションを選ぶ際の3つのポイントを紹介します。
選ぶ際は、テレワークスペースが共用部分か部屋かどうか、インターネット環境は整っているか、防音・遮音性はあるかの3つを意識してください。
1. 作業スペースは共用部分か部屋のどちらがいいか
テレワークに特化したマンションを選ぶ際は、作業スペースが共用部分にある場合と、部屋にある場合ではどちらが良いかを考えておきましょう。共用部分を選ぶメリットは、机や椅子、Wi-Fi®環境が整っていることです。
テレワークをしている方が利用するため、落ち着いた雰囲気で仕事ができます。
個室や会議室が共用部分にあるマンションでは、より柔軟な働き方ができるでしょう。
テレワークスペースが部屋に用意されている場合、フリールームで作業できるような間取りが多いです。
共用部分と違い、机や椅子を用意する必要がありますが、自分の体にあったものを選べるため、長時間の作業でも疲れづらいでしょう。
一人暮らしの方や、日中に家族がいない時間帯があるという方は、比較的静かな環境で作業できるため、集中して仕事をしたい方にもぴったりです。
2. インターネットは問題なく使用できるか
テレワークでは、オンライン会議やチャットツールなどでコミュニケーションをとります。業務が滞ってしまわないよう、安定した回線が必要です。
テレワークに特化したマンションでは、基本的にはWi-Fi®が使えるようになっていますが、回線が遅いと感じることなく、快適に使えるかどうかを確認しておくと良いでしょう。
マンション全体でアクセスが集中する時間の回線速度はどのくらいか、光回線を使っているかどうかは必ずチェックしておきたいポイントです。
テレワークでは社外秘の資料を取り扱うこともあります。
セキュリティ対策がしっかりとされているかどうかもチェックしておくと良いでしょう。
3. 防音・遮音性はどうか
株式会社リクルートが2021年6月に公開した「住宅購入・建築検討者調査(2020年)」では、20歳から69歳の男女を対象に、過去一年以内でリフォームなどを検討した理由についてまとめられています。「新居で解決したかった元住まいの課題」として、騒音が気になることや遮音性が低いことが第4位に上がっています。[注4]
オンライン会議中に近所の工事音が入ってしまったり、業務の会話が外に漏れ出したりしてしまう可能性があります。
なかでも業務の会話が漏れることは、コンプライアンス的に問題があります。
テレワークに特化したマンションを選ぶ際は、防音・遮音性のある作りになっているかどうかを確認することが大切です。
テレワークスペースが共用部分にある場合は、個室や会議室などがあるかどうかを確認すると良いでしょう。
賃貸でテレワークスペースを作る2つのコツ
購入したマンションであれば、比較的自由にリフォームできますが、賃貸ではそうもいきません。
ここからは賃貸でもできるテレワークスペースを作るコツをご紹介します。
今あるスペースを活かしつつ、落ち着いて作業できる場所を確保しましょう。
空間を区切ってスペースを作る
リビングやダイニングなどの空間を、パーテーションやカーテンで区切ってワークスペースを作ります。家族やペットがいるリビングで作業をしていると、声やテレビの音で集中できず、周りの目も気になるものです。
電話対応や会議となると、一緒に住んでいる方にも気をつかわせてしまうことも考えられます。
パーテーションを立てたり、カーテンを天井からつるしたり、大きな本棚やタンスを壁のように見立てたりして空間を区切り、ワークスペースを作ります。
周りの視線が気にならなくなることはもちろん、プチ個室のように使えるため、集中して仕事ができるでしょう。
このとき、防音や吸音効果のある素材のものを使用すると、テレビの音や生活音などを抑えることができます。
個室型ワークスペースを購入する
広さが確保できる場合は、テレワーク専用の組み立て式個室を購入するのも良いでしょう。設置工事がいらないため、賃貸でも使え、簡易的なものだと1万円以下で購入でき、テントのように広げるだけでワークスペースが作れます。
テレワークをするためだけの空間を作っておけば、仕事とプライベートの区別もつけられるため、より集中して業務に取り組めるでしょう。
自作テレワークスペースを快適にするために気をつけたい2つのこと
自分で作ったテレワークスペースで快適に過ごすために気をつけたい2つのことを紹介します。
大切なのは、人間工学にあった机と椅子を選ぶこと、インターネット環境を整えることです。
ここでは、それぞれについて詳しくご紹介します。
机と椅子は人間工学にあったものを選ぶ
長時間のテレワークは、首や肩、腰などに大きな負担がかかります。椅子を選ぶ際は、人間工学に基づいたデザインのものを選びましょう。
人間工学とは、機械や家具などが人間の体にとって使いやすくなるように設計する学問のことをいいます。
人間工学に基づいた椅子は、良い姿勢をキープさせ、身体を支えてくれます。
机と高さを合わせて使うことで、腰痛や肩こりを予防する効果が期待できるでしょう。
インターネット環境を整える
テレワークに特化したマンションを選ぶ3つのポイントでも紹介しましたが、テレワークでは、インターネット上でコミュニケーションをとります。回線速度が遅いと、オンライン会議中に画面が止まってしまい、円滑なコミュニケーションが取れず業務に支障がでてしまう可能性もあります。
比較的安定した速度を求めるのであれば、光回線を選びましょう。
とくに築年数の古いマンションでは、新たに回線工事をしなければならなかったり、工事ができなかったりすることがあります。
引っ越しが集中する時期や繁忙期には、回線工事に時間がかかるため、できるだけ早く取りかかりましょう。
マンションの場合はアクセスが集中すると、回線速度が遅くなることがあります。
ルーターやONU(光回線終端装置)を最新にしたり、通信方式を見直したりして、速度を保てる対策をしておくと良いでしょう。
テレワークに特化したマンションは新しい暮らしに寄り添ったもの
この記事では、テレワークに特化したマンションの特徴や選び方を紹介しました。テレワークに特化したマンションは、遮音性が高く、集中できるスペースがほしいというニーズに応えたものです。
テレワークに特化したマンションの特徴は、共用部分や部屋に集中して作業できるスペースがあることです。
オフィスのようなオープンな空間で作業したい方は共用部分がテレワークスペースになっているマンションを、プライベートな空間で作業したい方は部屋にテレワークスペースがあるマンションを選びましょう。
今の部屋にテレワークスペースを作る場合は、
・パーティションやカーテンなどで空間を区切ってスペースを作る
・広いスペースがなくても、工夫次第で作業できる空間がは作れる
・快適に使える人間工学にあった机と椅子を選ぶ
・テレワークに適したインターネット環境を整える
以上4つの点を意識することが大切です。
▽新築分譲マンションのご案内はこちら▽
[注1]総務省|平成 26 年通信利用動向調査の結果
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/150717_1.pdf
[注2]総務省|テレワーク推進に向けた政府の取組について
https://www.soumu.go.jp/main_content/000433143.pdf
[注3]東京都|テレワーク実施率調査結果をお知らせします!8月の調査結果
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/09/03/09.html
[注4]株式会社リクルート|『住宅購入・建築検討者』調査 (2020年)
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20210603_housing_01.pdf