2方道路角地に連ねた擁壁の上に、潤いある緑と共に薫り立つもの。
雁行設計による豊かな表情が、流麗に連なってゆくファサード。
沿道に、約20m超にも渡る伸びやかなキャノピー(庇)と共に造り込まれた「顔」の先、
約3.0m超の天井高で開けるホールが続いてゆくエントランス。
邸宅らしい堂々たる輪郭、凛とした佇まいながら、その先の高みへの予感が満ちてくる邸宅です。
低層の美が際立つ伸びやかなフォルムに、雁行設計による表情と変化を与えた、邸宅としての風格を醸し出す意匠。そしてエントランスサイドの外観は、開口部を縦につないだような垂直を刻む端正な意匠とし、美しいコントラストを描きました。高さを抑えた落ち着いたフォルムに、植栽、ライティングにまで至る繊細なこだわりで豊かな表情を与えた、美しいデザインです。
外構・共用部 マテリアル写真(平成29年6月撮影)
沿道に配した、緑と共に連なる御影石錆石。その上に薫り立つ外壁には、繊細な濃淡で貼り分けた柔らかな色合いのタイル。そして水平ラインを描くバルコニーには、明るさが映えるガラスパネルを。エントランスを構成する基壇部には上質感漂うボーダータイルを採用しました。ディテールに至るまでこだわったマテリアルが、繊細にして優美な邸宅の風格を物語ります。
上質感あふれる意匠で描いたエントランス内には、居住者だけがその景観を愉しむことができる中庭を設えました。柔らかな緑が風に揺れる常緑のソヨゴ、その上に刻まれた、小さな丘のようなマウントにイロハモミジが薫る、情趣あふれる景観です。自然地形を活かしたステップに設えたライティングが、美しい樹形を際立たせる、夜間も美しいパティオです。
伸びやかに広がるキャノピーやエントランスホールを演出するダウンライト。夜間も安らかな気持ちでご帰宅いただける足元を灯すフットライト。豊かな植栽に美しい陰影を与え、夜間も緑の心地よさを浮かびあげる庭園灯やアッパーライト。敷地すみずみに配したライティングデザインが、住まう方の心を癒すと共に、静穏な住宅地を柔らかな光と共に灯す、街の誇りとなる邸宅像を描きます。
環境色彩計画事務所として環境色彩学の視点から素材・色彩をデザインするCLIMATと、
「住宅から都市デザインへ」というビジョンを持つ南條設計室によるデザイン・コラボレーション。
全体設計からディテールに至るまでをこだわり抜いた意匠とすると共に、
この地だけの「色・景・かたち」を創造することで、周辺の街並みをも美しくしてゆく試みです。
「住宅から都市デザインへ」というビジョンから、建築の原点であり「弦楽四重奏のように凝縮された総合芸術」である住宅にこだわる。「小さな家づくりを続ける事で街を美しくしたい」という真摯な思いとデザインは、集合住宅における多くのグッドデザイン賞受賞や都市景観大賞受賞など、高く評価されています。
素材・色彩マネジメントを通じて、都市規模の景観ガイドラインの策定から、インテリアデザインまで、幅広い分野で実績を積み重ねている環境色彩の専門家集団。今、求められる世界基準の俯瞰的視点、そして環境色彩学の視点から地域のビジョンを描く力を通じて、単体的な空間・建物に留まらない「文化都市」の創造を目指しています。
北東・南東、それぞれ公道に接した2方道路角地という開放的な敷地条件を活かして、南東・南西向き中心※の開放的な配棟を実現。隣地や周辺の条件に恵まれた敷地に、歩道状空地を確保したうえ周縁を御影石で包んだ意匠に。周辺と一線を画した独立性と開放感を叶えています。プライバシーと開放感という、ともすれば相反する条件を両立した、「邸宅」のための敷地だと言えるでしょう。
※総戸数56戸中南東・南西向き住戸53戸
公道沿いには、ソヨゴ、シラカシ、タブノキなどそれぞれ樹形が美しい常緑樹を配し、心地よい緑陰と並木を創るように。さらに灌木、地被類までを配した厚みある植物の表情が、景観に奥行きを与える植栽計画です。敷地内にも中庭を中心に、常緑樹、紅葉樹、花や実のなる植物など、季節が巡るごとに新しい景観に出逢えるための植物を配しています。