三谷
その後はコロナの影響もあって、思うような活動もできていないんですけど……アイデアとして、盆踊りに行くなら「集まって練習会をしてみよう」とか、「身につけるサコッシュを一緒につくろう」とか。
暮らしに根付くという意味では防災も大事ですよね。でも、これをカチッと勉強しようとすると皆さんに敬遠されるので、「アーバンキャンプ」という形で、実際にテントで寝泊まりしながら防災について考えることができたらいいよね、なんてアイデアもあります。そうしたアイデアを話し合うことが、今のところ活動のメインになっています。
橋爪
船場は文化施設や劇場が少ないんですけど、神社などの人が集まるスペースはたくさんあります。そこをどう使っていくかも、大事な課題になると思うんですね。秋に「鎮守の杜の芸術祭」(※1)というイベントが行なわれていますが、こちらをご紹介いただけますか。
三谷
正式名称は坐摩神社(いかすりじんじゃ)、通称「坐摩(ざま)さん」という神社があるんですけど、その境内をお借りして、神社の本殿を舞台とし、砂利のあるところに客席を作って、本格的なオペラを楽しんでいただくというイベントを10月に開催しています。これは2005年から続いており、私は途中からですが、もう10年ぐらい実行委員として参加しています。もともと神社というのは寄席の発祥の地であり、町人の文化を支えてきた場所だったんです。そこで現代の新しい文化を生み出そうということで、総合芸術であるオペラに着目されて、始められたということです。
橋爪
船場は人形浄瑠璃や文楽の発祥の地でもあります。そこにまた、さまざまな新しい文化が加わっていくのは素晴らしいと思います。
※1
「鎮守の杜の芸術祭」は、「大阪の中心部『船場』の地から新しい文化・芸術を発信したい」との思いから、2005年より活動スタート。船場の氏神である鎮守の杜、坐摩神社を舞台に毎年10月、オペラの公演を主軸にさまざまな音楽・文化芸術を通じて活気あるまちづくりを目指している。