Photograph
たくさんの“ステキ”が散りばめられた写真の数々。センス溢れるインスタグラマーさんたちの写真は見るだけで心が華やぎます。自分でも撮ってみたいけど、本格的なカメラはないし、おしゃれなグッズなどを揃えるのも大変そうと諦めていませんか。実は少しの工夫で、あなたも“インスタ映え”写真の撮影ができるかも!専門家にスマホではじめるステキ写真を撮影するコツをお聞きしました。
今回は大阪府豊中市でフォトスタイリング講座も開催している吉田タマエさんに教えていただきました。
フォトスタイリングとはひと言でいうと、「撮りたいアイテムをより魅力的に写すためのテクニックです」とのこと。「『美味しそう』『かわいい!』など、心が動かされる対象が見つかれば、それを主役にして周りをデザインしていきます」と吉田さん。そして大切なのは「ひと目見て何かがわかること」だとか。ひと目見てその魅力がストレートに伝わってくることが大切です。
さらに吉田さんによるとフォトスタイリングを続けることで生活にも変化が。「美意識が磨かれるのか、日常生活までスタイリングしてしまうんです!大げさではなく人生変わりました」。確かに吉田さんのご自宅兼スタジオは、彼女のセンス、こだわりが空間の隅々にまで息づいているようです。
さぁ、興味が湧いたら早速はじめてみましょう。一眼レフやきちんとしたカメラじゃなくても大丈夫!気軽にはじめるなら、お手持ちのスマホでも十分ステキな写真が撮れるのです。
ただ、「スマホのレンズや画面が汚れている人が多いのが気になる」と吉田さん。画面やレンズは布などを使いクリアに保つことが大切です。他にも脇を締めたり腕を固定してスマホをぶらさない、セービングモードなどは解除し、画面を明るくして撮影することも大切だそう。
これらのポイントを押さえたら、次はいよいよ具体的なノウハウをご紹介します。
#01 小物や雑貨を揃える。
#02 お皿やカップ&ソーサー選び。
#03 撮影対象スイーツの見せ方を決める。
主役を決めたら、その周りに配置する雑貨や小物を用意します。ハロウィンやクリスマスなどイベントを活用するのも手!またカフェなどで無料配布しているおしゃれなカードなど、「日々の生活の中で見つかる使えそうなものは集めておくといいです」と吉田さん。お皿やカップ選びは、主役との組み合わせで印象が変わるので色や柄を合わせながら選びましょう。 必要なものが揃ったら空間をデザインしていきます。例えばドーナツも複数なら華やかさが表現できますし、小さいものはよりかわいくなります。写真は少し引いて撮るとトリミングしやすいのでおすすめだそう。配置を調整する際はその都度画面を覗くのもポイント。
#01 飾る花の色味や種類を決める。
#02 見せ方を考えてアレンジする。
#03 自然光の入る窓の前にスタンバイ。
花を撮影する場合、高級な花束などを購入する必要はありません。「野花を摘んできてもいいし、家で育てているものや、スーパーで買えるお手頃なものでもOK」とのこと。なるべく季節の花を選んで、色味や種類を決めていきます。初心者なら同系色を選ぶと成功率が高いそう。濃淡でグラデーションをつけると、それだけですでに目を惹くビジュアルになります。「かわいいものはかわいく写す」のもコツ。例えば茎の長さを調整し、瓶から頭ひとつくらいの高さに短く揃えることでかわいさを表現できます。
背景のおすすめは白。あくまで花が主役なので、他の色でも、選んだ花を引き立てる色を選びましょう。花と背景が決まればあとは、小物などを使い空間をデザインして完成です!
目に入る場所だけでもいいので掃除をして、「生活感はなるべく少なくする」のがポイント。大げさには考えず家具など、撮影する対象の周りだけでも整頓されていると写りがスッキリします。
写真の中に人物や動物が入ると温かさが感じられます。また被写体のサイズ感を表現するためには、人物や手先を入れてみるのもおすすめです。他との差別化ができる個性的な1枚に!
庭、海、山など風景を入れると、写真に広がりや奥行き感ができます。ポイントとして背景はぼかす方が柔らかさがアップ。また斜めにする技法もありますが、基本風景は水平で撮影します。
カメラマンが撮影時に使うレフ板、実は簡単に作ることができます。白いカラーボードに切り込みを入れ、ガムテープなどで繋いだら完成です。レフ板に山を作ることでテーブルの上で立たせることができて便利!
使い方は、光を反射させて被写体を照らすのが基本。特に料理写真は逆光の位置にスタンバイして、レフ板は光を受け取る場所に置くと美味しそうに撮ることができます。実際に画面を覗き、レフ板を揺らしたりずらしたりしながら、ポジションを決めます。雰囲気に差がでるので少しでもプロっぽく仕上げたい場合はぜひ活用してみてください。
インスタ映えを狙うなら、小物使いがポイントに。でも「フォトスタイリング用にと高級なグッズを揃える必要はありません」と吉田さん。
取材時に揃えていただいたのは、100円均一ショップやホームセンターなどで買えるものが中心でした。季節のイベント用の飾りや、家にある布、小さいフルーツなども活躍します。またカフェで配布されている無料のカードや、ジャムの瓶などの容器も使えそうなものは保管しておくのだとか。「英字が入っているとおしゃれに見えますよね(笑)」
日常生活の中でも、おしゃれで使えそうなものは見つけたら集めておくとスタイリングの幅がぐんと広がります。
例えば自宅などの写真の位置情報は消しておく、失敗を恐れずどんどんアップすることで目が肥えていく、など今まで意識していなかったことも教えてもらいました。吉田さんが講師を務める「スマホで撮る!インスタグラム写真編集と魅せ方講座」は入門編としてもおすすめです。「インスタなどSNSは一瞬が勝負です。スクロールして流し見をされることを前提とし、その状況でいかに目を惹きつけ印象づけるかを考えるのが大切です!」心得を肝に銘じ、投稿にトライしてみてはいかがでしょうか。
フォトスタイリスト 吉田タマエ
「フォトスタイリスト1級」や「一級フラワー装飾技能士」などの資格を保持する、フラワーアーティスト兼フォトスタイリスト。今回紹介したスマホ講座以外にも、一眼レフなどを持参する、より本格的なものやフラワーアレンジメントによったものまでバラエティに富んだ講座を、少しずつDIYしたという自宅などで開催しています。