スフレフロマージュ [PATISSERIE etonne]
スフレフロマージュ [PATISSERIE etonne]
今回ご紹介するのは、「スフレフロマージュ」です。このお菓子を手がけている多田征二シェフは、「イグレックプリュス+」で15年間、シェフパティシエとして活躍し、今年7月に兵庫県芦屋市で「PATISSERIE etonne(パティスリー エトネ)」をオープンしました。シェフの考える理想のチーズケーキは、ふんわりやわらかで、チーズの風味が感じられるもの。「ふわっとさせるにはチーズの量を減らさなければなりませんが、そうするとチーズの風味が感じられなくなり、チーズを増やすとふんわり感がなくなってしまいます。そこで、低温で熱を通すフランス料理の調理法からヒントを得て、オーブンの余熱でじっくり火を通すことにしたんです」と多田シェフ。そうして完成したスフレフロマージュは、ふわふわの食感で口当たりなめらか。口に入れた途端に溶けることもなく、チーズの芳醇な風味が存分に楽しめます。焼き上がり時間を狙って訪れる熱烈なファンもおり、早くも看板スイーツとなっています。
<PHOTO>スフレフロマージュ(1ホール)2,000円 (1ピース)350円(すべて税別)
毎日のおやつから大人のスイーツまで
もうひとつ人気の「シュー ア ラ クレーム」は、「あえて個性を出さず、昔ながらの配合で作った」と多田シェフ。クッキー生地を乗せたシュー皮はやわらかすぎず硬すぎず、カスタードクリームもオーソドックス。毎日食べても飽きのこない味わいです。スペインの「ランブラス通り」の美しさを表現した「ランブラス」は、ライトなスペイン製チョコレートのムースショコラにキャラメルクリームが重ねられています。シェリー酒でマリネしたチェリーがアクセントになっており、キャラメルクリームにもオレンジ・リキュールがほんのり。「甘いだけでは物足りない」という方におすすめの大人のスイーツです。
<PHOTO>シュー ア ラ クレーム250円、ランブラス460円(いずれも税別)
「私福の時間とは?」
パティシエがプライベートで至福の時を感じるスイーツをリレー方式で毎月ご紹介。今回のスフレフロマージュを推薦いただいた新井シェフのサンマルクはvol.07で掲載しています。
「以前は、何層も重ねた複雑なお菓子を作っていましたが、今はシンプルなものを作りたいし、私自身も年齢とともにそういうものが食べたいと思うようになりました」と多田シェフ。ショーケースには、チーズケーキやミルフィーユ、ショートケーキといった、シェフの言葉を借りれば「鉄板」のスイーツが並びます。「これらのお菓子は引き算で作るもの。美味しく仕上げるには、ルセット(レシピ)にはない、それぞれの工程の微妙なさじ加減が重要になってきますが、それは経験を通してしか身に付きません。経験を重ねた今だからこそ、胸を張って作れるのだと思います」と話します。生地やクリームはそれぞれのお菓子に合わせて作り、一つひとつのお菓子を丁寧に仕上げていきます。目指すは「どこにでもあるけど、エトネのものが一番美味しい」と喜ばれるお菓子を作ること。オーソドックスながらも驚きのあるスイーツが、エトネで待っています。
SHOP DATAPATISSERIE etonne
2016年7月、スイーツ激戦区の兵庫県芦屋市にオープン。早くも人気沸騰中のスフレフロマージュをはじめとする約15種類の生菓子、普段のおやつにぴったりのシュークリームやギフトにおすすめのパウンドケーキも用意されており、秋が深まると、チョコレートや栗のお菓子も登場します。作り立てのスイーツを味わいたい方のために、2席のカフェスペースを用意。芦屋市の紅茶専門店「ウーフ」の水出し紅茶(無料)と、気さくな多田シェフとの会話とともに、出来立ての味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。
多田さんが惚れこむ逸品は……
「愛知県の『パティスリー アン デュトンプールラメゾン』は、シェフが勉強熱心で、それぞれのお菓子の配合や焼き方はもちろん、保存の方法もとことん研究しています。飾りつけよりも、生地やクリームをいかに美味しく仕上げるかに力を注いでいるので、商品は決して華やかではありませんが、どれも美味しいんです。中でもおすすめは、焼き菓子です。シェフは世界の洋菓子コンクールで何度も優勝しているので、腕前は確かですよ」