グッドデザイン賞審査委員による評価コメント
東京山の手の都心に立地する開放的な集合住宅である。
近くに小さな川が通っていることと、敷地が不定形であることを活かして、建物配置を南北の軸線から対角線状に回転させ、建物周囲に適度な距離を残すことによって、すべての住戸を外部に開放している。
日射や通風よりも都市への空間的な開放性を最優先した、都心ならではの集合住宅である。
東京山の手の都心に立地する開放的な集合住宅である。
近くに小さな川が通っていることと、敷地が不定形であることを活かして、建物配置を南北の軸線から対角線状に回転させ、建物周囲に適度な距離を残すことによって、すべての住戸を外部に開放している。
日射や通風よりも都市への空間的な開放性を最優先した、都心ならではの集合住宅である。
恵比寿は東京の中でもとくに感性の高い「人」たちの集まる「場所」として知られています。
「人」は「場所」と「建築」にエネルギーを与え、逆に「建築」や「場所」は「人」に訴えかけます。
恵比寿に建つ「建築」は、より積極的に「人」や「場所」に訴えかける何かが必要だと考えました。
それは開放感のある「Display」のような「建築」。
ここに住む「人」が開放感のある「Display」を通じ、集まる「人」たちや、恵比寿という「場所」に影響を与え続けていくこと。
そして、都心のメリットを長く享受することのできる永住建築を目指しました。
「人」は真正面に向かい合うとストレスを感じることがあると言われています。
「Display」を通じ、生活空間をダイレクトに露出してしまうことは、住む「人」にストレスを与えることになりかねません。
そこで「建築」を45度振って配置することで、まわりの集合住宅とのダイレクトな正対を避けました。
この配置により「Display」は向いの事務所ビルに正対することなく、渋谷川沿いの緑地とオープンスペースに向けられることとなり、また、敷地の境界線までの距離をとることも可能にしました。
「建築」を「Display」化し、住む「人」と集まる「人」を繋いでいく集合住宅とすること。
ファサードにおいては開放感のある「Display」を大きく確保し、他の要素をできるだけ排除しました。
また、「Display」をファサード一面に確保するため、リビングルームを構造躯体から2.5mほど『キャンティレバー』で持出しています。
感性の高い「人」のありのままを映す「Display」を、床から天井まで全面開口とし、高さ2.7m、幅8.5mのサッシによって圧倒的な開放感をもたせました。
リビングルームは2.7m(※11階以上)、2.6m(※10階以下)の天井高、同時に水周りや廊下についても天井高2.4mを実現しています。
最大2.4mの天井高を持たせた一般的な集合住宅であれば、15階程の階数とする設計が可能でしたが、階数をひとつ減らしてでも、ゆとりの天井高、そして居住空間の豊かな体積にこだわりました。
売主:近鉄不動産株式会社・株式会社モリモト/所在地:東京都渋谷区恵比寿/総戸数:60戸/敷地面積:1,002.22㎡/建物面積:427.59㎡/建築延床面積:4,767.06㎡(容積対象外面積1,160.14㎡含む)/構造・規模:鉄筋コンクリート造 地上14階建/竣工年:2012年/デザイン監修:株式会社プランテック総合計画事務所/設計・監理:株式会社IAO竹田設計/施工:東レ建設株式会社