マカロン[Le Petit Archer]
マカロン[Le Petit Archer]
今回ご紹介するのは、奈良県橿原市にある「Le Petit Archer(プティ・アルシェ)」の「マカロン」です。オーナーシェフの永本善治さんが、フランスで口にして「こんなに美味しいお菓子があるなんて!」と感激し、およそ13年間の試行錯誤を経て完成させた渾身の逸品です。風味があり適度な脂肪分を含むスペイン産のアーモンドを使用したシェルは、サクッと軽い食感。その中にはバタークリームとガナッシュがたっぷり挟まれており、小さいながらも食べごたえがあります。「こだわったのは、香りを出すこと。ガナッシュにはフルーツのピューレやドライフルーツを混ぜ込んでいるので、自然の豊かな香りをお楽しみいただけますよ」と永本さん。こだわりのスイーツとあって評判は上々で、「マカロンは苦手だったけど、これは美味しい」と言う人も。まさにマカロンのイメージを覆す一品です。
〈PHOTO〉マカロン1個200円、3個入り700円、5個入り1,100円(すべて税別)
多彩な味わいと食感を楽しんで
ユニークなデザインの「ショコラ・ダンティーク“勾玉(まがたま)”」(写真左)は、「古代大和飛鳥づくり」のプロジェクトで考案した勾玉型のチョコレートケーキ。中には翡翠をイメージしたピスタチオのムースとダックワーズ、古代チーズの蘇(そ)を入れたキャラメルクリーム、クリスピーチョコが忍ばせてあり、さまざまな味と食感が楽しめます。店名と同じ「プティ・アルシェ」(写真右)は、フランス菓子「クレームダンジュ」をテイクアウト用にアレンジ。チーズとメレンゲのムース、木イチゴソースの甘味と酸味のバランスが絶妙です。
<PHOTO>ショコラ・ダンティーク“勾玉”550円、プティ・アルシェ370円
「私福の時間とは?」
パティシエがプライベートで至福の時を感じるスイーツをリレー方式で毎月ご紹介。今回のマカロンを推薦いただいた、田脇さんの焼き菓子はvol.14で掲載しています。
フルーツを大胆に使ったり、中身をすっぽり包み隠したり……。「子どもがワクワクするようなお菓子をつくりたい」と、果物のフレッシュ感とインパクトのあるデザインを大切に、生菓子を手がける永本さん。「自分が食べても飽きないよう、一口ごとに食感や味わいが変わるお菓子にしたい」と工夫を凝らしています。使う素材も研究を重ね、粒子の粗い小麦粉はクッキーに、細かいものはしっとり感を出したいケーキに使用。砂糖もあらゆる種類を試し、今は7種類を使い分けているそう。「お菓子づくりを突き詰められるのは、個人店だからこそ。『これが本物の味や』と子どもに伝えたい。それが、アルチザンの使命だと思っています」と熱い思いを語ってくれました。
SHOP DATALe Petit Archer(プティ・アルシェ)
約17年前のオープン以来、地元の人々に愛されているケーキ屋さん。ショーケースには、常時15~20種類のユニークなデザインの生菓子が並びます。中でも人気が高いのは、永本さんが選び抜いた季節の果物をダイナミックに使ったフルーツケーキ。初夏は、柔らかくジューシーな桃「白鳳」をふんだんに使ったタルトが登場する予定です。月末3日間に登場する「今月のお菓子」もお見逃しなく。
永本さんが惚れこむ逸品は……
「私のおすすめは、兵庫県伊丹市にある『ラクロワ』の『エスカルゴ』です。仕入れ先の業者さんに教えてもらって訪れて、いろいろなスイーツを試してみましたが、『エスカルゴ』には衝撃を受けました。バタークリームのロールケーキというシンプルなスイーツでありながら、抜群に美味しいんです。特にバタークリームは今まで食べた中でもっとも秀逸。そのイメージが覆されました」