天王寺公園のうち、施設の老朽化や有料であったことから充分活用されていなかったエントランス部を、都市生活者の多様で自由なアクティビティを受容する拠点として、大阪市との官民連携により再整備しました。2014年に開業した「地上300m日本一高いビルあべのハルカス」を背景にした約7,000㎡の広大な芝生広場を中心に、その周囲に公園との親和性を考慮した木造・低層の店舗を連続的に設置することで回遊性を高めるだけでなく、周辺の天王寺動物園・大阪市立美術館など既存施設との機能的・空間的連携を図ることによって、天王寺公園全体を活性化させることを意図しました。再整備後は、周辺地域や国内外から多くの人が訪れるものとなり、その効果が公園にとどまらず、あべの・天王寺エリア全体の活性化やシビックプライドの醸成に繋がるなど、都市再生モデルとなるプロジェクトと考えています。
人が集まり・にぎわう拠点へ、開放的な空間を形成しました。
緑に囲まれた芝生広場が各施設の前庭となり、市民の都市活動を有機的ネットワークでつなぎます。
【概要 】 | |
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名 称 | 天王寺公園エントランスエリア「てんしば」 |
所 在 地 | 大阪府大阪市天王寺区茶臼山町5番55号 |
規 模 | エントランスエリア 約25,000㎡(うち芝生広場が約7,000㎡) |
■審査員による評価コメント
市民の活用が少なくなってしまっていた公園のリニューアルであるが、民間による整備・運営である点が、まず何よりも素晴らしい。もちろん、仕組みだけではなく、芝生を中心としたおおらかな広場、さまざまな工夫によって実現した木造建築など、市民のにぎわいを支えるデザインも質が高い。今後の社会資本整備に関する一つのモデルとなるだろう。